アンリのモナコ監督就任が決定的に! 現地メディアは「双方にとって“ウィンウィン”」と評価

2018年10月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

12月には元同僚ヴィエラとの監督対決も。

本人の古巣でもあるモナコで、まもなく「監督アンリ」が誕生する。現地時間13日に発表され、15日に会見が開かれる見込みだ。(C)Getty Images

 モナコは10月11日、レオナルド・ジャルディム監督を解任したことを発表した。

 2014年にモナコの監督に就任したジャルディムは、1年目からチャンピオンズ・リーグ(CL)でベスト8進出を果たすと、2016-17シーズンにはリーグ・アンを制覇。CLでもベスト4に進むなど躍進を遂げた。

 だが昨シーズンにリーグ・アンの王座を失うと、今シーズンは開幕戦を除いて白星なしと不振に陥り、9節を終えたリーグ戦で最下位に勝点1差の18位と大きく低迷。CLでも連敗スタートと苦しんでおり、クラブはついにジャルディム監督の更迭に踏み切った。

 そして後任監督選びが注目されたが、地元紙では元フランス代表のティエリ・アンリ氏の就任が決定的と報じられている。現在ベルギー代表のアシスタントコーチを務める同氏は、数日前にアストン・ビラからの誘いも報じられていたが交渉はまとまらず、アストン・ビラはその後、ディーン・スミス監督の就任を発表していた。
 
 モナコのOBでもあるアンリ氏だが、トップチームの監督を務めるのは今回が初めて。シーズン途中での招聘にリスクがあるのも確かだ。

 だが、フランス・サッカーに精通するジュリアン・ローレン記者は英公共放送「BBC」で、「名声やカリスマ性、クラブでの実績と、アンリは多くの点でモナコの要求を満たす」との見解を示した。

「新監督を招くのに、モナコにとってイメージは重要。ビッグネームを必要としている」

 またローレン記者は、「アンリは本当にアストン・ビラのプロジェクトに関心を持っていた。だが一方で、若手との仕事を望んでいる」と、アンリにとってもモナコは良い選択肢であり、双方にとって"ウィンウィン"であると強調している。

「アーセナルでユースチームを指導した経験があるし、モナコなら古巣復帰となる。アンリにとっても、初めての監督という役割を担うのに、モナコは多くの点で要求を満たすんだ」

 スティーブ・クロスマン記者も、「初めて監督という仕事をするうえで、アストン・ビラよりはソフトなランディングになる」と、初監督に臨むにはモナコのほうが適していると説いた。

「モナコはよりビッグなクラブだが、プレッシャーはアストン・ビラより少ない。モナコがすぐにリーグのトップに戻ることを期待しているファンはいないだろう」

 一方、ギジェム・バラゲ記者は「選手たちの成長」がモナコにおける監督アンリの将来を左右するとの見解を示している。

「ユーリ・ティーレマンスを我々が期待する選手に戻せるかどうか、ソフィアンヌ・ディオプやナセル・シャドリを伸ばせるかどうかで評価されるだろう」

 またバラゲ記者は、「監督というのは、敗北にも対応しなければいけない。それを彼がいかにしていくかだ」と、現役時代に多くの勝利を手にしてきたアンリが、指揮官として困難を乗り越えられるかがポイントになると指摘した。

 そのアンリの就任は、現地時間13日中にも正式に発表されると言われている。となれば、12月8日の試合に大きな注目が集まるのは確実だ。この日モナコと対戦するニースを率いるのはパトリック・ヴィエラ。アーセナルの黄金時代を築いたアンリとヴィエラが、指揮官として初めて顔を合わせることになる。
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事