「雨が降っても私の責任になる…」モウリーニョ、劇的逆転勝利にも解任論で過熱するメディアに苦言

2018年10月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

行き過ぎた批判に「人間性が試される」とポツリ…

90分に雌雄が決した逆転勝利という結果に満足感を示したモウリーニョだが、メディアに対し、苦言を呈することも忘れていなかった。 (C) Getty Images

 現地時間10月6日にプレミアリーグ第8節でマンチェスター・ユナイテッドは、ニューカッスルと対戦し、3-2と見事な逆転勝利を挙げた。

 開始10分で2点を先行される苦しいスタートを切ったユナイテッドだったが、70分にファン・マヌエル・マタが反撃の狼煙となるFK弾を決めると、76分にアントニー・マルシアルが同点ゴールを叩き込んで一気に流れを引き寄せ、最後は土壇場の90分に途中出場のアレクシス・サンチェスがヘディングシュートをねじ込んで逆転に成功したのだ。

 開幕から7節を消化して3勝1分け3敗の勝点10と過去29年間で最悪のスタートを切り、尻に火が付いた状態だったマンチェスター・Uだっただけに、そうしたネガティブな雰囲気を一掃する、まさに死地からの脱出というべき逆転劇だった。

 試合後、連日のように解任報道を飛ばされ、スロースタートの責任を追及された指揮官のジョゼ・モウリーニョは英スポーツ専門メディア「BT Sports」のインタビューに対し、「我々は勝利に値した」と力強く語った。

「0-2でハーフタイムを迎えたなかで決して楽観的な状況ではなかった。ただ、今日は良いモチベーションで戦えていたし、仮に2-2で終わったとしても状況が好転するような試合ができた。最終的には勝つと思っていたよ。我々はそれに値していたからね。

 とくにファンは素晴らしかった。前半終了後の負けているなかで彼らはクラブの名前を歌っていたんだ。勝つことが重要だと知りながらあれだけの声援を送ってくれることに驚いたよ。あれこそがクラブ愛であり、我々、マンチェスター・ユナイテッドがメガクラブである証拠だ。本当に感謝したい」

 今節の結果を受け、一部メディアで噂されていた即時解任は免れたモウリーニョは、「私は2020年7月まで契約をしている。まだ、ピストルに指はかけていない」と発言。さらに過熱し続けているメディアの報道に苦言を呈した。

「ある程度の批判はこれまでも受けてきたし、私はむしろそれを愛してさえもいる。ただ、最近の批判はあまりに度が過ぎている。これは良い監督である前に人間として耐えられないものばかりだ。ある意味で人間性が試されている。私? 問題ない。悲しいこともあるが、大人だし、ちゃんと対応ができている。

 例えば、明日、私がロンドンに行って、雨が降れば、それは私の責任だ。もし、Brexit(英国のEU脱退を意味する造語)の同意を得るのに問題があれば、それも私の責任だ。こんな感じで、私はあらゆることに準備しなくてはいけなくなっている。

 今のサッカー界は劣悪かつ一人を狙った度の超えた批判が多すぎる。ただ、それは、私が生きる場所であり人生なのだ。きっと最後の日まで愛すると思う。辛いこともあるがね」

 現在の報道の在り方に持論を述べたモウリーニョへは、結果が好転していかない限り、本人も自覚している通り、今後も行き過ぎた批判は続くことだろう。果たして、稀代のカリスマ指揮官は、この苦境を乗り越えられるだろうか?
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