スペイン代表に初招集された「ホニー・カストロ」とは一体何者か?

2018年10月05日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

左SBへのコンバートが転機に

スペイン代表に初選出されたホニー。新天地ウォルバーハンプトンでも不可欠な存在に。(C)Getty Images

 現地時間10月4日、スペイン・サッカー連盟は、11日のウェールズ(親善試合)と15日のイングランド戦(UEFAネーションズ・リーグ)に臨むスペイン代表23名を発表した。

 ルイス・エンリケ監督との確執が取り沙汰される左SBジョルディ・アルバ(バルセロナ)が、9月に続いて招集外となったこと以上に驚きを与えたのが、ホニー・カストロ(ウォルバーハンプトン)の初招集だ。

 右利きながら左サイドを主戦場とする24歳のSBは、175センチ・70キロと小柄だが、馬力のある攻め上がりと粘り強い守備が持ち味だ。
 
 転機となったのは、セルタ時代の2013-14シーズン。ウーゴ・マージョとの右SBの定位置争いに敗れ、開幕からほとんど出番のなかったホニーを、左SBにコンバートしたのが、当時セルタを率いていたL・エンリケだったのだ。

 その後は左SBのレギュラーに定着し、セルタの攻撃サッカーの一翼を担う。そしてこの夏、強豪アトレティコ・マドリーへ完全移籍を果たした。

 ただ、アトレティコの左SBは、退団が噂されたフィリペ・ルイスが残留し、バックアッパーにはロシアW杯の優勝メンバーであるリュカ・エルナンデスがいるため、ウォルバーハンプトンに貸し出される形になったのだった。

 その新天地でも、開幕から7試合連続で先発出場を果たすなど、左WBの定位置をがっちりキープし、7節のサウサンプトン戦ではプレミアリーグ初ゴールを記録。昇格組ながら9位と健闘を見せるチームで、小さくない存在感を放っている。
 
 もっとも、代表デビューは右SBになるかもしれない。ジョルディが不在とはいえ、左SBは前回に続いてマルコス・アロンソ(チェルシー)とホセ・ルイス・ガヤ(バレンシア)が招集されている一方、怪我のダニエル・カルバハル(レアル・マドリー)が外れ、セサル・アスピリクエタ(チェルシー)しか本職がいない。右のほうがチャンスはありそうだ。
 
 念願の初招集が叶ったホニーは、ラジオ・マルカのインタビューで、恩師L・エンリケについて次のように語っている。
 
「(セルタで指導を受けたのは)いい思い出だよ。最初は構想外のような扱いだったけど、コンバートによって最も出場機会の多い選手のひとりになったんだ。コインの裏表がひっくり返ったみたいにね。僕を左サイドバックで起用したのはルイス・エンリケが初めてだった。彼のスタイルは自分に合っていると思う」
 
 指揮官が求める「強さ」を備えているホニー。この愛弟子の活躍に注目が集まる。
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