「あと3歳くらい若ければ…」圧巻2ゴールの興梠慎三が冗談交じりに"オーバーヘッド失敗"を回顧

2018年10月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

相手DFを出し抜いた2点目の動き出しは秀逸だった

2点を挙げてチームを勝利に導いた興梠(30番)。ゴール前での駆け引きが秀逸だった。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ28節]浦和3-2柏/9月30日/埼玉

 圧巻の出来だった。柏レイソル戦で2ゴールを挙げた興梠慎三のことだ。
 
 3-2の勝利を飾ったJ1リーグ28節のホームゲームで、背番号30はチームの2点目と決勝弾を決めた。「前からプレスをかけて上手く取れたので、GKを見て冷静に打てた」という1点目は、タイミングの良いプレスでDFのミスを誘い、その勢いのまま前線に走り込んでパスを呼び込む。そして、GKの位置を確認し、絶妙なループシュートを沈めた。

 このゴールもさることながら、秀逸だったのが「良い組み立てから自分のところに来たので、本当にチームで取った点だと思う。それを自分が決めてチームに貢献できたのは非常に嬉しく思います」と語る2点目だ。
 
 ゴール前に陣取った興梠は、右サイドでボールをキープした武藤雄樹が中央をルックアップしたタイミングを見計らって動き出しを開始。相手DFの死角からスッと前に入り込み、武藤のクロスをボレーで完璧に合わせた。対峙したDFとすれば対応が困難で、興梠のゴール前でのセンスが凝縮された会心の一発だった。
 
 興梠はこうしたゴールシーンの他にも、たびたびチャンスに顔を出しており、バー直撃のボレーも放っている。また、惜しかったのが、オーバーヘッドを狙った71分のシーンだ。
 
 長澤和輝のクロスを受けた興梠は、胸トラップでボールを浮かせ、そのままオーバーヘッドを放った。しかし、このシュートはうまくヒットせずにチャンスを逃してしまう。
 
「もちろんヘディングでゴールを狙う選択肢もありましたが、個人的にはあそこでヘディングはできないと思ったので、胸トラップしてオーバーヘッドでも決めようかなと思ったんですが、胸トラップがちょっとうまくいかなかったのもあるし、ちょっと無理がきかなかったなと。あと3歳くらい若ければ、あれはズドンといったんですけど、歳を取ったなと思いますね(笑)」
 
 そんな冗談が飛び出したのも、チームが会心の勝利を収めて、心に余裕があったからだろう。これで浦和は3連勝を飾り、暫定ながら6位に浮上した。3位・鹿島アントラーズとの勝点差は4で、来季のACL出場圏内も十分に狙える範囲だ。

 J1リーグは残すところ6節。頼れるエースは、怒涛の追い込みをかけるチームを、これからも牽引してくれるはずだ。

取材・文●五十嵐創(サッカーダイジェストweb)
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