トッティの自伝がローマの人事に影響? 引退を迫ったとされる幹部が辞任か

2018年09月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

「辞表を出すなら突き返す」会長は慰留の意向。

自伝を出版したトッティ。引退してもなお、ローマにおけるその存在感は絶大だ。(C)Getty Images


 歴史に名を刻んだレジェンドが、現役引退後に自伝を出すのはよくあることだが、その自伝がクラブの人事に影響を及ぼすことになるかもしれない。

 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、9月27日にリリースされたフランチェスコ・トッティの自伝が原因で、ローマ幹部のフランコ・バルディーニが辞任する意向だという。

 パオロ・コンドー記者とトッティが共著した自伝「Un capitano(一人のキャプテン)」の中で、トッティはバルディーニに現役引退を迫られた時の様子を記している。

「数年前にも君を売り払いたかったと言ったが、私がコンタクトを取っていた監督は全員、君がチームに残ることを求めた。だが、ルチアーノ・スパレッティだけはそれを求めなかった。そもそも、近年のローマにとって君の存在が重荷だったのは、だれもが知るところだ。来シーズンは、それほど厄介で、深い感謝を覚えている存在から自由になったローマが、歴史の新たな章を始めるところを見てもらえるだろう」
 
"ローマの王"とも呼ばれたトッティの人気が絶大なのは言うまでもない。それだけに、現役続行を望んでいた本人に引退を迫ったとあれば、ファンから冷たい目で見られるのは必至だ。晩年に確執が騒がれたスパレッティ監督(現インテル)も"標的"とされている。

 引退後にクラブ幹部となったトッティとの関係が微妙な状況にある中で、引退を迫ったことまで暴露されては、バルディーニが仕事しづらくなるのは避けられない。『Gazzetta dello Sport』紙によれば、内容を知ったバルディーニは、ジェームズ・パロッタ会長に辞意を伝えたという。

『Il Romanista』紙によると、バルディーニは「キャプテンの言葉だ。議論することはできないと思う。少なくとも一つの疑問が植えつけられることだけを願いつつ…」と述べるにとどまった。

 一方で、パロッタ会長は『Il Tempo』紙で「私は何も言われていない。いずれにしても、辞表を出すなら突き返す」と、慰留する意向を明かしている。

 トッティの自伝は会長の右腕とも称される人物を追いやることになるのか。確かなのは、引退してなお、トッティの存在はローマにおいて計り知れないということだ。
 
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