【J1・17節クローズアップ】大宮の残留へのキーマン、現役セルビア代表・ムルジャの存在感|大宮 1-3 徳島

2014年07月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

「世界一のプレーを見せるつもりで、チームに貢献したい」

徳島戦では無得点に終わったものの、前線で存在感を示したムルジャ。彼の爆発なくして大宮の残留はあり得ない。(C) SOCCER DIGEST

 今夏の移籍マーケットでは、指折りの大物と言っていい。2001年に母国セルビアの名門レッドスター・ベオグラードでキャリアをスタートさせたドラガン・ムルジャは、2010年のワールドカップのメンバーにも選ばれている。昨シーズンはセルビア・スーペルリーガで、2度目の得点王に輝いた。
 
 Jリーグへのデビューは鮮烈だった。リーグ再開初戦の広島戦で後半から出場すると、いきなり2ゴールを叩き出したのである。
 
「彼がディフェンスを引っ張ることでスペースができ、相手の守備ラインも下がって中盤にもスペースが生まれた」と、大熊清監督は振り返る。攻撃の大部分を家長昭博の創造性に依存してきた大宮にとって、187センチの現役セルビア代表は攻撃をパワーアップさせる存在と言えるだろう。
 
 ムルジャの特徴は懐の深いボールキープにある。マーカーの圧力を受けても、しっかりとボールを収めることができる。初先発した16節の鹿島戦では、彼のポストプレーをきっかけにズラタンの得点が生まれた。
 
 無得点に終わった17節の徳島戦でも、前線で存在感を示した。「攻撃の起点が多くなっている」という大熊監督のコメントは、すなわちムルジャ加入の効果である。彼自身のコンディションは、これからさらに上がっていくだろう。周囲との連係も深まる。
 
 その一方で、対戦相手のムルジャ対策も進む。広島戦で披露した鋭い反転からの右足シュートを、徳島は厳重に警戒した。前半こそ5本のシュートを記録したものの、果たして後半は「0」に終わっている。これからデータが蓄積されるに従って、ムルジャへの包囲網はさらに厚くなるだろう。
 
「世界一のプレーを見せるつもりで、チームに貢献したい」とムルジャは話す。鮮烈なデビューは、救世主到来のプロローグなのか。それとも、未知数な存在ゆえの活躍だったのか。
 
 いずれにせよ、大宮のJ1残留にはムルジャの爆発が不可欠だ。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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