「メッシは黄金の刑務所にいる」ミュージシャンに転身した元イタリア代表FWがサッカー界の“暗部”を語る

2018年09月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

男はなぜ、“自由”を追い求めたのか?

自由を求めてキャリアを捨てたオスバルドは、同胞のメッシを引き合いにサッカー界でスターになる難しさを語っている。 (C) Getty Images

 約2年前、「すべてから解放されたい」と言い放ってロックミュージシャンへと電撃転身を遂げた元イタリア代表FWパブロ・オスバルド。現在はスペインのロックバンド「Barrio Viejo」のメインボーカルとして、バルセロナを拠点に活動している奔放な男が、サッカー選手時代を回想した。

 2005年に祖国アルゼンチンのクラブ、ウラカンでプロキャリアをスタートさせたオスバルドは、その後、欧州に渡ってフィオレンティーナやローマ、サウサンプトン、ユベントス、インテルなどでプレー。2011年11月にはイタリア代表にも招集されるなど、端正な容姿と巨躯を活かした豪快さが魅力の大型CFとして人気を博していた。

 しかし、2016年1月、当時所属していたボカ・ジュニオルスの指揮官ギジェルモ・バロスケロットと喫煙を巡って衝突し、解雇されたことをきっかけに引退を決意。今年9月の英紙『The Sun』の取材では、「サッカー界じゃ、リアルな人生を送れない。嘘で塗り固めた人生になってしまう」と、キャリア最盛期の30歳で転身を決めたワケを明かしていた。

 周囲の反対を押し切り、自由を求めたオスバルドは、現地時間9月24日、アルゼンチン紙『La Nueva』で、改めてサッカー界に未練がないことを告白した。

「サッカー界はもはや俺のものではなかった。クリスチアーノ・ロナウドは家に帰って、150回の腕立て伏せをやりたがるけど、俺はバーベキューの準備をするほうが好きなんだ」

 それでもオスバルドは約11年に及ぶキャリアを重ねたサッカー界には、「家族を助けるチャンスをくれ、多くの金を稼がせてくれた」と感謝はしている。しかし、スターになることで、不自由にもなるサッカー界の"暗部"を祖国の英雄を引き合いに出して語った。

「サッカーは好きだし、それを否定することも出来ない。様々な場所や人々を知ることもできた。それらは俺の人生を変えたよ。でも、同時にキャリアを重ねることで自由は失われていったんだ。

 メッシになりたかったかって? それはノーだね。彼みたいにプレーできたら最高だろうけど、メッシは自分の人生を持っていない。あれは黄金の刑務所で生きているようなものだよ。どこかに出かけてお茶を飲むこともできない。きっと彼はそれを気にかけてはいないだろうけど、俺はそうじゃないんだ」

 様々なしがらみに縛られるサッカー界を抜け出し、自らのやりたい音楽業に没頭するオスバルド。ちなみに今の世界では、「何のプレッシャーもなく、自由でリラックス」できているという。

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