「相手だって許しを求めていた!」バルサの一戦で異例事態。両軍がVARの退場判定に疑問を呈す

2018年09月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

当事者となったジローナMFも「最初は自分のファウルかと…」とコメント

退場となったラングレ(左奥)をかばうように主審へ抗議するブスケッツ(左手前)。「VAR判定には肯定的」としながらも、改善を訴えた。 (C)REUTERS/ AFLO

 今シーズン、公式戦6戦6勝だったバルセロナがついにその歩みを止めた。

 現地時間9月23日に行なわれたラ・リーガ5節、本拠地カンプ・ノウにジローナを迎え入れた一戦は、19分にエースのリオネル・メッシのゴールで先制するも、相手の主砲クリスティアン・ストゥアニの2ゴールで一時逆転される苦しい展開となる。

 その後、猛攻に転じたバルサは、63分にピケのヘディングシュートでドローに持ち込んだものの、勝点3を見込んでいたホームでの手痛い引き分けだったことは言うまでもない。

 この試合でバルサの歯車を狂わせたのは、35分の退場劇だろう。今シーズン、初先発を飾ったフランス人DFクレマン・ラングレが、相手MFポルトゥと交錯した際に肘が顔面に当たっていたとしてVAR判定の末にレッドカードを突き付けられたのである。

 ただ不思議なのは、この退場に両軍の選手たちが懐疑的なコメントを出していることだ。

 奇しくも当事者となってしまったポルトゥは、スペイン紙『AS』で、「最初は自分のファウルかと思った」と正直に話している。

「ギリギリのプレーだったことは言うまでもないよ。だから、接触した時に僕は、起き上がってからラングレに謝り、手を差し出したんだ。同時に笛が吹かれたし、自分のファウルを取られたと思ったんだ。僕が肘打ちを食らったのかは分からない。でも、VARがそういう処分を科したというならば、違反があったということなんだろうね」

 この一連のプレーを目の前で見ていたというバルサのセルヒオ・ブスケッツは、スペイン紙『Marca』の取材に対して、「VARには肯定的だ」としながらも、VAR判定に対する自身の見解を示した。

「ボールはピッチ上にあって、あの接触はごく自然な動きだ。故意に狙っていないものだ。ジローナの選手さえ、主審に許してあげるように求めていたぐらいだよ。VARは、もっと同じ基準において正しく用いられるべきだ」

 両チームの選手がジャッジに疑問を抱くという異例の事態となった今回の退場劇。いまだラングレへの正式な処分は決まっていないが、はたして判定が覆ることはあり得るのだろうか?

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