欧州メガクラブ オフの最新動向をチェック|リバプール編

2014年07月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

25年ぶりの悲願達成へ、エース放出の大胆なモデルチェンジ。

遠征地のアメリカで切れのある動きを見せるマルコビッチは、早くも周囲をうならせているようだ。 (C) Getty Images

 あるいは連覇に向かって、あるいは巻き返しを期して、戦力強化に余念のないメガクラブの動向を、シリーズでお伝えしていこう。
 
 昨シーズンはあと一歩のところでリーグ優勝を逃したリバプールは、25年ぶりの悲願達成に向けて、はたしてどんなオフを過ごしているのか。
 
――◆――◆――
 
リバプール
[昨シーズンの成績]
プレミアリーグ:2位
チャンピオンズ・リーグ:不出場
 
【獲得決定】
MF アダム・ララーナ(イングランド代表)←サウサンプトン
MF エムレ・ジャン(ドイツU-21代表)←レバークーゼン
MF ラザル・マルコビッチ(セルビア代表)←ベンフィカ
FW リッキー・ランバート(イングランド代表)←サウサンプトン
FW ロイク・レミ(フランス代表)←QPR
【退団決定】
DF アリ・シッソコ(フランス代表)→バレンシア(レンタル終了)
FW ルイス・スアレス(ウルグアイ代表)→バルセロナ
FW ルイス・アルベルト(スペインU-21代表)→マラガ(レンタル)
FW イアゴ・アスパス(スペイン)→セビージャ(レンタル)
FW ヴィクター・モーゼス(ナイジェリア代表)→チェルシー(レンタル終了)
(※情報は7月25日現在)
 
 終盤戦の失速で惜しくも逃がしたリーグ優勝という悲願達成を唯一無二の目標に、就任3年目のブレンダン・ロジャース監督は大胆にチームを作り変えている。
 
 ついに踏み切ったのは、ルイス・スアレスの放出だ。史上3番目の高額となる7500万ポンド(約127億5000万円)で、バルセロナに売却した。昨シーズンは31ゴールを挙げてプレミアの得点王に輝いたエースの穴は、たしかに巨大だ。ただ、ワールドカップでの噛みつき事件で4か月の活動停止処分中で開幕から不在。しかも噛みつきは再犯で、その処分で昨シーズンも開幕から戦列を離れていたように、愚行を繰り返すスアレスは両刃の剣でもあった。
 
 一方で、これまでに獲得した主な新戦力は5人。サウサンプトンから合計2900万ポンド(約49億円)で引き抜いたのは、イングランド代表としてワールドカップに出場したMFアダム・ララーナとFWリッキー・ランバート。「ハイライン・ハイプレス」のサッカーで躍進を遂げたサウサンプトンを主軸として牽引した2人で、期待の大きさは移籍金の額に表われているだろう。
 
 サウサンプトンからは、さらにクロアチア代表のCBデヤン・ロブレンの獲得を狙う。リバプール移籍を求める本人の意向を汲んで、サウサンプトンは放出拒否の姿勢を軟化させており、合意に向かって進んでいるようだ。
 
 さらに最終ラインは、アトレティコ・マドリーから右SBハビエル・マンキージョの獲得が大詰めだ。
 
 ラザル・マルコビッチとエムレ・ジャンは、ともに無限の可能性を秘めた20歳の俊英。ウイングとトップ下をこなすマルコビッチは鋭い仕掛けで、セントラルMFのジャンは懐の深いボールキープと質の高いラストパスで、組み立てから崩しまでの局面にクオリティーをもたらす即戦力としての働きが期待されている。
 
 QPRから獲得が決まったロイク・レミは快足自慢。高さのランバート、速さのレミでスアレスの穴は補填できるのか。あるいは、前線にさらなる補強はあるのか。いずれにしても、再編した前線が成否の鍵を握っているだろう。
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