サッリ監督の哲学やスタイルを表わす言葉「サッリズモ」、母国イタリアの百科事典に

2018年09月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

地元紙は「過去の名将たちも果たせなかった快挙」と称賛。

銀行員からサッカー監督へ転身した異色のキャリアを持つサッリ。いまやだれもが認める名将に。(C)Getty Images

 今シーズンからチェルシーを率いるイタリア人のマウリツィオ・サッリ監督は、昨シーズンまで3シーズンに渡って率いたナポリで見事なサッカーを体現し、欧州のトップクラスへと躍り出た。

 かつて銀行員として働いていた異色の経歴の持ち主は、最近までその名が知られていなかった。59歳の指揮官が注目されるようになったのは、2012年から率いた当時セリエBのエンポリ時代。そして3年後にナポリの監督に就任すると、欧州を代表する名将の仲間入りを果たした。

 結果至上主義である守備の国イタリアにおいて、早いプレスからボールを保持し、攻撃的に戦うサッリ監督のサッカーは各方面で高く評価されており、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督も賛辞を寄せている。
 
 そんなサッリ監督にとっては、大変な名誉かもしれない。母国イタリアの百科事典『Treccani』は9月13日、同監督のサッカー哲学・スタイルを表す言葉「Sarrismo(サッリズモ)」を新語として百科事典に含めると明らかにしたのだ。

 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』は、カルチョの革命をもたらしたアッリーゴ・サッキや、イタリア代表を1986年のワールドカップで優勝に導いたエンツォ・ベアルゾットなど、これまでの名将ですら果たせなかった快挙と称賛している。

 前述のグアルディオラ監督も、その哲学が「グアルディオリスモ」という言葉で表現されることはあるが、"百科事典入り"には至っていない。なおスペインでは、"チョロ"の愛称で知られるアトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督の「チョリスモ」が以前、王立言語アカデミーの「今年の言葉」候補にノミネートされた。

 サッリ監督は新天地チェルシーでも、プレミアリーグで開幕4連勝を飾り、順調なスタートを切っている。このまま快進撃を続ければ、英国メディアが名付けた「Sarri-ball(サッリボール)」も、いつの日か英国の辞書に載る日が来るかもしれない。
 
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