「ちゃんとサッカーをするスペインに行きなさい」 悩めるディバラに古巣パレルモの会長が進言

2018年09月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

スタメンで出場したのは開幕戦だけ。

ベンチスタートが続くディバラ。1月のスペイン行きはあるのか。アルゼンチンが生んだ天才の去就に注目だ。(C)Getty Images

 イタリア王者ユベントスはこの夏、クリスチアーノ・ロナウドの加入に沸いた。セリエAではまだ得点をあげられていないが、CR7が加わったことで、悲願のチャンピオンズ・リーグ(CL)優勝への期待が高まっている。

 だがその影で、背番号10を纏うパウロ・ディバラは苦しんでいる。昨シーズンは9月のインターナショナルウィークまでにリーグ戦2試合で4得点を奪っていた。だが今シーズンは3節を消化してまだ無得点。しかも先発したのは開幕戦だけで、直近の2試合はベンチスタートだった。

 この状況を嘆いているのが、古巣パレルモのマウリツィオ・ザンパリーニ会長だ。イタリア紙『Corriere dello Sport』によると、同会長は『RMC Sport』で「彼が(メンバーから)外れるたびに泣いている」と、ディバラに移籍を進言している。

「2年前、ディバラにはイタリアのチームではなく、ちゃんとサッカーをするスペインに行けとアドバイスしたんだ。彼はきっと移籍するだろう。ユーベは1億ユーロ(約130億円)、1億2000万ユーロ(約156億円)という金を手に入れたいだろうからね」

「1月にディバラはスペインに移籍するはずだ。スペインやイングランドからリクエストがある。ユーベには優れた選手がたくさんいる。全員を起用するのが難しいのは当然だ。だがもちろん、ディバラのような怪物がプレーするのを見られないのはガッカリだよ」

 ただディバラ自身は、アルゼンチン代表として出場したコロンビア戦後、ユーベでの戦いに意気込みを示し、C・ロナウドの加入にも「僕は幸運だ」と述べている。(イタリア衛星放送「Sky Sport」より)

「代表ではリオネル・メッシとプレーし、ユーベではC・ロナウドとプレーできるのだから、僕はラッキーさ。C・ロナウドとのコンビネーション? 良くなっているよ」
 
 ディバラは、クラブだけでなくアルゼンチン代表でも2試合続けてベンチスタートだった。代理人でもある兄はSNSで、アルゼンチン代表のパオロ・スカローニ暫定監督への不満をのぞかせている。

 もっとも、そのスカローニ監督は試合後のインタビューで、近くにいたディバラを呼び寄せ、「私と彼の間に問題があると思われているようだが、彼は怪物だよ。素晴らしい選手だ。いろいろでまかせが言われているようだがね」と確執を否定。ディバラも「僕は監督のそばにいる」とこれに続いた。

「アルゼンチンは新しいグループになっている。僕はここにいるのが好きだし、みんなが同じ方向に進んでいるんだ。互いに助け合う必要がある。兄のこと? ちょっと怒っただけさ。家族なら身内にプレーしてほしいものだろ?」

 スカローニ監督は「パウロは素晴らしい青年だ。彼がもっとも力を発揮できるところを私が見つけなければいけない。彼はベストのひとりだ。出場に値する状態ならすぐにでも試合で使う」と、再度強調した。

 メッシの後継者と期待する声もあったディバラは、ユベントスとアルゼンチン代表でこれから存在感を増していくことができるだろうか。
 
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