不振のロシアW杯を経て…躍動する「リオ組」。遠藤航はかつてない“あの悔しさ”をぶつける!

2018年09月12日 石川聡

「(ロシアW杯は)5分とか10分出るより、出られない方が自分には良かった」と遠藤

ボランチで攻守両面にわたって存在感を見せた遠藤。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 2年前のリオデジャネイロオリンピックに出場した選手たちが、ようやく日本代表の主力を担おうとしている。森保一監督は初陣となる9月シリーズに、植田直通、遠藤航、室屋成、中島翔哉、大島僚太、南野拓実、浅野拓磨という7人の「リオ組」を招集。大島は負傷のために離脱したが、3-0で快勝した9月11日のコスタリカ戦には植田を除く5人がピッチに立ち、南野が66分にチームの2点目を決めた。
 
 その得点はリオの香り。遠藤からのパスを受けた中島が相手と対峙している間に、遠藤がスルスルとペナルティエリアに侵入。中島からの縦パスをワンタッチで中央へ折り返すと、南野が左足でGKの足もとを抜いた。遠藤は「翔哉がタイミングよく(パスを)出してくれて、拓実が素晴らしいシュートを決めてくれた」とチームメイトを持ち上げた。「リオ組はこれから活躍しないといけないと、みんな意識している」という遠藤の言葉を体現する得点だった。
 
 遠藤はキャプテンを務めたリオ五輪でグループリーグ敗退。先のロシア・ワールドカップでは23人のメンバーに選ばれながら、ついに出場のチャンスは訪れなかった。2大会ぶりの16強入りという成果を上げたチームにあって、「負けた時の悔しさは今までにない」ものだったという。しかし、「5分とか10分出るより、出られない方が自分には良かった」とも。所属先のシント=トロイデン(ベルギー)で、そして日本代表で、味わったことのない「悔しさをぶつけ、表現できる立場にいる」状況を成長につなげようとしているからだ。
 
 センターバック、サイドバック、ボランチなど、守備のさまざまなポジションをこなせるのが遠藤の持ち味である。だが、ベルギーでの挑戦を前に「ボランチで勝負したい」と目標を定めた。
 
 コスタリカ戦はそのボランチでフル出場。ディフェンスラインの前面でピンチの芽を摘み、正確なパスで攻めの起点となった。「狙っていた」というミドルシュートこそなかったが、前述のアシストは秀逸な動き。攻撃がこう着した際には、こうした後方からの意表を突いた動きは突破口となるだろう。
 
 また、ボランチでコンビを組んだ青山敏弘との連係にも手応えを掴んだ。「お互いにポジショニングで、どこにいるか、攻撃に出ているな、とか意識している。気を使ってくれる選手で安心感がある」と、新キャプテンに信頼を寄せる。
 
 まずは好スタートを切ったと言える森保ジャパン。だが、対戦相手のコスタリカも世代交代を模索中で、4日前に韓国と戦って移動し、「(7日の)チリ戦がなかった日本の方がフレッシュ」(ロナルド・ゴンサレス監督)な状態だった。もちろん、遠藤に慢心はなく、「強い相手にも同じプレーをしなければ」と気を引き締めることも忘れなかった。

取材・文●石川 聡

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