火曜日のイングランドvsスイス戦でモノクロ放送が復活! この時代にいったいなぜ?

2018年09月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

1969年のメキシコ戦以来、実に49年ぶり

イングランド代表はさっそく前日練習で『Kick It Out』のロゴ付きビブスを着用。火曜日のスイス戦でもユニホームにプリントされる予定だ。(C)Getty Images

 FA(イングランド・サッカー協会)と英衛星放送『Sky Sports』による斬新な試みが明らかとなった。
 
 現地時間9月11日、イングランド代表はレスターのキングパワー・スタジアムにスイスを迎え、ネーションズ・リーグ第2節を戦う。なんとこの試合の冒頭25秒間が、モノクロ(白黒)で生放送されることが決まったのだ。英紙『The Sun』によると、イングランド代表のゲームが英国内でモノクロ放送されるのは1969年6月のメキシコ戦以来、実に49年ぶりだという。
 
 いったいなぜこのような大胆な企画に打って出たのか。今回の試みに大きく関わっているのが、反人種差別団体『Kick It Out』(差別を蹴り出せ)だ。フットボール界における人種差別廃絶を期して、立ち上げられたのが1993年。あれからちょうど25年が経ち、その功績を称えるべく、FAが『Sky Sports』に持ち掛けた。最終的には共同企画として、実現の運びとなったのである。

 
 1か月前にFAはスイス戦で『Kick It Out』とコラボする旨を明かしていたが、ここまで大掛かりなものになるとは誰も予期していなかっただろう。イングランド代表の選手たちは前日練習から『Kick It Out』のロゴ入りシャツを着てトレーニングに励み、試合当日も胸に同じロゴを付けてピッチに立つ予定だ。
 
 同団体での活動経験があるFA諮問委員会のポール・エリオット氏は、「テレビの前の何百万のファンに、ほんの25秒だけでもいい。人種差別について考えもらえればと切に願う」とのメッセージを発信。そして『Kick It Out』のヘルマン・オーズリー代表は「力強い"気づき"となってくれると期待する。この25年という長い道のりでフットボール界がどれだけ変わったことか。人種差別だけでなく、世界中のあらゆる差別に対して想いを巡らせる時間となってほしい」と話した。
 
 49年ぶりにノンカラーで放送される代表戦。はたしてどんな反響を呼ぶのだろうか。
 
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