「レズビアンだって野次もあった」ベジェリンが止まない誹謗中傷に怒りの激白!

2018年09月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

「僕は最後まで自分のスタイルを貫くよ」

独特のライフスタイルを貫くベジェリン。謂れのないバッシングに晒されている。(C)Getty Images

 アーセナルの右サイドと言えば、いまやエクトル・ベジェリンの聖域だ。入団4年目を迎えたスペイン代表SBは今シーズンも開幕から4戦連続スタメン出場を果たし、ウナイ・エメリ新政権下のチームを大いに盛り立てている。
 
 スターダムを駆け上がる23歳だが、抱えている悩みは深い。英高級紙『The Times』で赤裸々に明かしたのは、絶え間ない誹謗中傷に対する怒りだ。
 
 ベジェリンと言えば、その長髪がトレードマークのひとつ。ファッションモデルに挑戦するなどピッチ外での一風変わった行動も話題を呼んでいるが、そうしたライフスタイルを揶揄する野次がエスカレートしているのだという。
 
「まあ大半はネットでの書き込みなんだけど、最近はスタジアムでもよく野次られるよ。いまは髪を伸ばしているから、『お前はレズビアンだ!』って野次もあったな。耳を疑うよ、本当に。僕への侮辱だけでなく、同性愛者をも辱める許せない愚行だ。潜在的にそうした差別意識があるのだろう。僕自身はどこか慣れてきてしまったけど、野次る者はよくよく胸に手を当てて考えたほうがいい。どれだけ酷いことをしているのかをね」

 
 ベジェリンはなにかしらの問題行動や失言をしたわけではなく、パフォーマンスが低調なわけでもない。自分ではどうしようもない無力感に苛まれるとともに、気づかされたことがあるという。
 
「結局ファンには、求めるフットボーラーの理想像ってのがあるんだ。どんな出で立ちで、どんな振る舞いで、どんなことを話すべきか。そのどれかひとつでも一般的なスタンダードから外れると、一斉に攻撃を受けるんだよ。それが対戦相手としてやってくるとなれば、ことさら容赦なく襲い掛かってくる。とても恐ろしいことだと思う」
 
 先日、英国ラグビー界で自身が同性愛者であることを告白した選手が称賛を浴びた。そのニュースを引き合いに出し、「フットボールではゲイだとカミングアウトするのはまず難しいだろう。ファンの準備ができていないからね。まったく違う文化があるんだ」と主張する。
 
 それでも、一時閉鎖していたツイッターを再開した。ベジェリンは「ツイッターで学ばされることのほうが多いからね。中傷に関しては……まあ、うまく付き合う方法を考えるよ」と話し、「なんにせよ、僕は最後まで自分のスタイルを貫くよ」と気丈に語った。
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