「練習前に話したいことがふたつある」森保一監督がA代表初日に伝えたメッセージは?

2018年09月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

「仲間がいるから自分が生きる。自分も仲間を生かす」

森保監督はチームに献身と組織力を求めた。写真:徳原隆元

 2022年のカタール・ワールドカップを目指す森保ジャパンが3日、札幌市内に集合し、始動した。森保一監督は始動に際し、練習前に選手を集めて、「(初めての)練習前に話したいことがふたつある」とし、自身が、そしてチームがこの先4年間で大切にしていきたいことを伝え、実行を求めた。
 
 まずは献身の徹底だ。「みんな、チームのために、仲間のために、走って戦える選手がここに集まっている」と選手に言ったという。サンフレッチェ広島監督時代から、上に立って指示を出すタイプの監督ではなかったが、国を背負う立場になっても変わらなかった。「走れ」「戦え」ではなく、普段からできる選手だという評価を与えたうえで、いつも通り代表でも意識してほしいと意識させた。
 
 ふたつ目は、組織力を発揮すること。「日本人らしく組織的なサッカーで戦いたい」と提示し、「戦いつつも、個人の特長を発揮してほしい。思い切ってやってほしい」と締めくくった。コーチとしてロシア・ワールドカップに帯同。全員が同じ方向を向いてプレーできれば、世界舞台でも勝機はあることを目の当たりにした。広島で黄金期を築いたサッカーも、組織で上回るものだった。カタール大会でも組織力で立ち向かうことを明言したのだった。
 
 当面の目標は、来年1月にUAEで開催されるアジアカップになる。今回はロシア・ワールドカップの主力や、夏の移籍市場で移籍した選手の招集を回避した経緯があるが、10、11月に予定される親善試合とあわせて「できるだけ多くの選手を呼びたい」と展望を明かした。
 
「チーム作りとしては海外組の選手を10月か11月のタイミングで招集できればと思っています。絶対ということはないですが、それぞれのコンディションを見極めて、多くの選手を呼びたいです。そこで選手の特長を見極めて、アジアカップに向けてやっていきたい」
 
 長谷部誠らが代表からの引退を公言し、4年後のカタール・ワールドカップへ向けて世代交代を命題に課せられている森保監督。「仲間がいるから自分が生きる。自分も仲間を生かす」というチームの完成形を目指して、世界を目指す旅をスタートさせた。
 
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