金メダルで歓喜に沸く韓国イレブン…ガンバのエースは静かに日本ベンチを訪れた

2018年09月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

僚友・初瀬を抱き寄せて…

大会前には実力を疑問視する声が国内メディアから上がったファン・ウィジョだが、ゴールラッシュを決め込んで雑音を封じた。今季J1の勢いをインドネシアに持ち込んだ。写真:早草紀子

 インドネシアで行なわれたアジア大会・男子サッカー競技決勝は、延長戦の末に2-1で韓国が日本を下した。粘り強い守備対応で均衡を保っていた若き森保ジャパンだったが、ソン・フンミンのお膳立てを受けたイ・スンウ、ファン・ヒチャンにそれぞれゴールを許し、上田綺世の得点で1点差に詰め寄るも、あと一歩及ばず。2大会ぶりの優勝を逃した。
 
 今大会で9ゴールを挙げて得点王に輝き、韓国の金メダル奪取にMVP級の働きを示したのがファン・ウィジョだ。言わずと知れたガンバ大阪のエースで、今季J1でも20試合に出場して9得点と気を吐いている。今回はオーバーエイジ枠に抜擢され、期待に違わぬハイパフォーマンスを披露。決勝では得点こそ挙げられなかったものの、屈強なポストワークと思い切りのいいシュートで日本守備陣の脅威となった。

 
 そんなファン・ウィジョが試合後に取った紳士的な振る舞いに着目したのが、韓国の全国スポーツ紙『スポーツソウル』だ。以下のように報じている。
 
「タイムアップの瞬間、韓国の選手たちは思い思いに喜びを爆発させた。ソン・フンミンや何人かの選手たちは韓国国旗を持ち込んでウイニングランを敢行。だが、ファン・ウィジョだけはエキサイトすることなく、静かに日本ベンチへと駆け寄った。対戦相手の選手たちと握手を交わすと、ガンバのチームメイトで5つ年下のリョウ・ハツセ(初瀬亮)を抱き寄せ、励ました。自分の喜びよりも、落ち込む後輩を気遣ったのだ。称えられて然りのアクションである」
 
 G大阪でも礼儀正しい好青年としての定評があり、ファンサービスにも熱心な26歳。試合後は「ほかにも点が取れる選手がいたなかで、僕を抜擢してくれたキム・ハクボム監督に感謝したい。この仲間たちと優勝を勝ち取れていまは胸がいっぱいだ」とコメント。今後はA代表にも返り咲き、レギュラー争いに名乗りを上げるはずだ。
 
 そして、J1で残留争いに苦しむG大阪にとっては、待望のエース帰還となる。不在の間にヴィッセル神戸から加入した渡邉千真との連携をどう構築していくのかなど、ファン・ウィジョを中心に新たな攻撃の形が模索されるだろう。

参照元:スポーツ・ソウル
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事