【アジア大会】「より一層負けたくない相手」韓国の不安要素は守備! 決勝Tで2発の上田綺世を先発起用か

2018年09月01日 川端暁彦

韓国のエース、ソン・フンミンは「日韓戦でも変わらない」と平常心を強調

アジア大会決勝では、史上初の対決となった日本と韓国。果たして軍配はどちらに上がるのか。写真:徳丸篤史=日本代表、Getty Images=韓国代表

 なんか知らんけど、なんとなくアイツにだけは絶対に負けたくない。いざ戦うとなれば、死力を尽くしてぶつかり合う――。
 
 そんな感情が自然と湧き上がる関係性をライバルと言うなら、日本と韓国はサッカーに関して間違いなくライバルだろう。DF板倉滉は史上初となるアジア大会男子サッカー決勝での日韓戦を前にして、こう語った。
 
「(ファンとして観ている時も)なんか韓国にだけは負けてほしくないなという気持ちがありましたし、今回は決勝という舞台で自分が韓国と戦える。きっと日本で観ている人たちも『韓国には負けてほしくない』と思っていると思う。どこかが相手でも負けたくないですけど、韓国だとより一層負けたくないという気持ちが強くなる。その相手と決勝でできることは嬉しいし、最後勝ってみんなと喜んで終わりたい」
 
 放っておいても気持ちが昂ぶる決勝戦で実現する日韓戦ということで、前日記者会見もその意義についての質問が飛び出した。FWソン・フンミンは「日韓戦でも変わらない」と平常心を強調したが、韓国の若い選手たちがただでさえ難しい決勝戦で懸かる日韓戦独特のプレッシャーをどう感じるかはひとつのポイントになるかもしれない。
 
 もちろん、ソン・フンミンを中心とする韓国の「非常に力のある攻撃陣」(森保一監督)をどう戦術的に封じるかも大きなポイント。スタートの並びは4−2−3−1で構える韓国だが、ボランチの片方が前に出て、両SBがやや絞り気味に前へ出る、つまり2−3−4−1のような形でビルドアップしてくる。ボールと逆サイドのウイングは大きく張り出しており、ここのポジションでの1対1の仕掛けをポイントにしている点を含め、戦術的な考え方は実のところ日本と共通する部分もある。
 
 攻撃に関してはとにかく個人の力が際立つ。ハンブルクに滑り込み移籍の決まったファン・ヒチャンを右に、20歳の名手イ・スンウを左に配し、最前線はオーバーエイジ枠で参加のガンバ大阪FWファン・ウィジョ。そしてこの3人を操るソン・フンミンを含めた4枚は、いずれもA代表級の実力者だ。日本の選手たちが軒並み「楽しみ」と口にしてきたメンバーに対して組織で守るのは当然だが、必ずどこかで作られてしまうであろう1対1の場面でどこまで戦えるかも勝敗を分ける要素となる。
 

次ページ後半に三好をスーパーサブで起用しギアチェンジを図りたい

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