兵役免除がかかった日韓決勝は「負ければ面汚し」「金メダルか銃か」韓国メディアの"入れ込み度"が半端ない

2018年09月01日 ピッチコミュニケーションズ

「サッカー決勝+韓日戦+週末、視聴率50%超え有力」との見出しも

今回のアジア大会は、ソン・フンミン(写真奥)にとって兵役免除のラストチャンスだ。(C)Getty Images

 U-21日本代表は9月1日、アジア大会の決勝で前回王者のU-23韓国代表と対戦する。
 
 アジア大会決勝で日本と韓国が対戦するのは史上初めてのこと。それだけにこの一戦は日本でも関心が高いが、韓国でも多くのメディアで取り上げられている。
 
「アジア大会で24年間日本に敗れたことのない韓国サッカー"負けられない"」(『中央日報』)
「サッカー決勝+韓日戦+週末、視聴率50%超え有力」(『スポーツ韓国』)
「"2012年のロンドン五輪のように"宿命の韓日戦、また笑えるか」(『スターニュース』)
 
 特に目立っているのは、韓国から見た決勝戦の位置づけを伝える記事だ。
 例えば「史上初のサッカー決勝の韓日戦、この試合にとても多くのことがかかっている」と題した『OSEN』の記事は、「どんな勝負事でも負けられない韓日戦である」「大会最多優勝記録がかかっている」(現在は4回でイランと並んでいる)などと報道。金メダルなら韓国で成人男子に義務付けられている兵役が免除となることも紹介し、「今後の韓国サッカーを責任持つ選手たちにとって、(兵役免除の)絶好の機会だ」としている。
 
 兵役免除がかかっていることは他にも多くのメディアで報じられているが、とりわけ今大会が兵役問題解決のラストチャンスとなる主将のソン・フンミン(トッテナム)には注目が集まっている(韓国の現行の兵役法では「満28歳までに兵役を務めなければならない」となっており、それに照らし合わせれば92年7月生まれのソン・フンミンは後がない)。「列島を泣かせる日、ソン・フンミンが笑う日」(『スポーツ京郷』)、「韓日戦を控え注目"ソン・フンミン、金メダルか銃か"」(『韓国経済』)といった具合だ。
 
 一方、日本の戦力を分析するメディアもある。
『スポーツ・ソウル』は、「アジア大会でこれほどサッカーが注目されるのは珍しい」としながら、「歴史的な決勝だが、日本の戦力を強いと見るのは難しい」と報じた。その理由については、「日本はプロだが試合にほとんど出ていない選手、または大学所属選手が主軸となっている。2年後の東京五輪を見据えているから、アジア大会の成績は重要ではないというのが日本の考えだ」として、「だからこそ、韓国は絶対に勝たなければならない」と締めくくっている。
 

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