「日本は明らかに焦っていた」UAE紙は母国代表チームに賛辞も指揮官の采配には…

2018年08月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

「言ってみれば試合はUAEのペースだった」

均衡を保ちながら、時折日本のミスを衝いて鋭いカウンターも繰り出したUAE。きわめて厄介な難敵だった。(C)Getty Images

 水曜日に行なわれたアジア大会・サッカー競技の準決勝で、日本は難敵・UAEを1-0で下し、8年ぶりの決勝進出を決めた。チャンスの山を築きながらもことごとく決め手を欠き、78分に途中出場の上田綺世が決勝点を奪うスリリングな展開。紙一重の勝利だった。
 
 チームの快進撃がベスト4で止まったUAEメディアは落胆の色を隠せない。日本相手に健闘したものの、やはり蓄積した疲労によって本来のパフォーマンスを引き出せなかったと見ているようだ。地元紙『Arab News』はこう論じている。
 
「(決勝トーナメントの)インドネシア戦に北朝鮮戦と、2試合連続で延長戦とPK戦を戦い抜き、我らが若きチームは優勝候補筆頭の日本にチャレンジした。ボール支配では終始圧倒されたが、守護神のモハメド・アルシャムシが前半だけで2度のビッグセーブを披露するなど、言ってみれば試合はUAEのペースだった。後半に入って日本はさらに攻勢を強めたが、我々のブロックは堅固で、運にも助けられて均衡を保ち続けたのだ。日本は明らかに焦りはじめていたのだが……ウエダのクールでハイレベルなショットは防ぎようがなかった」

 
 同紙が疑問を呈したのは、ポーランド人指揮官、マシエイ・スコルザの采配である。
 
「もはや選手たちのスタミナは限界に達していた。にも関わらず、スコルザ監督は日本戦に向けて、インドネシア戦と北朝鮮戦を戦ったスタメンから2名しか変更していない。相当に酷な判断だろう。しかも指揮官はゲーム終盤まで交代のカードを一枚も切らなかったのである」
 
 これについてスコルザ監督は記者会見で、「日本のような強敵と戦うのだ。選手たちの疲労はもちろん考慮したが、ベストメンバーで臨むしかないと考えていた」と説明。「選手たちの健闘を称えてあげてほしい。大会前の下馬評を思えば望外の結果だと思う」と理解を求めた。
 
 さらに地元紙『Arab News』はファンの落胆ぶりを報じている。「2大会前の決勝でUAEは日本に敗れた。そのリベンジをと国民は強く期待していたが、残念ながらスコア以上の差があったと言わざるを得ない。選手層の点で見ても、若きUAE代表が限界を露呈するゲームとなってしまった」と伝えた。
 
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