【鹿島】攻守両面で“共鳴”! 安西幸輝&山本脩斗の「左サイド」に高まる期待感

2018年08月29日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

ふたりのコンビは重要なオプションになり得る

左サイドで縦関係となり、抜群の連係を見せていた安西(32番)と山本(16番)。ふたりが絡んだ時の突破は見応えがあった。写真:徳原隆元

[ACL準々決勝①]鹿島2-0天津権健/8月28日/カシマ

 安西幸輝本人に訊けば、「初かも、しれないですね」と答える。

 スタートからの中盤起用について、だ。今季から鹿島の一員となった安西は、左右のSBとサイドハーフをこなすマルチロールだが、ここまではSBを主戦場にプレーしてきた。試合の途中からひとつポジションを上げることはあっても、2列目として先発するのは、この天津権健戦が初めてだったようだ。
 
 実際のパフォーマンスはどうだったかといえば、縦への鋭い突破、強気な仕掛け、カットインからのクロスなど持ち味を存分に発揮。"アタッカー"として存在感を放っていた。

 その安西を後方から支えていたのが、経験豊富な左SB山本脩斗だ。前にいる安西に好配給を見せ、機を見た攻め上がりで攻撃に厚みをもたらす。
 
 安西と山本。左SBのライバル同士でもあるふたりは、この日は"縦の関係"でスタメンから同時にピッチに立ち(右SBに安西、左SBに山本のスタメンでの同時起用はあり)、抜群のコンビネーションを見せ、左サイドから多くのチャンスを作ると同時に、ピンチを未然に阻止していた。
 
「脩斗君はすぐ僕に(パスを)つけてくれる。"あとはやっていいよ"というパスが多いから、僕はやりやすい」(安西)
 
 安西の攻撃センスを活かそうと、山本は献身的なサポートを見せる。安西が仕掛けやすいようなパスを配給し、自らのフリーランで相手を引き付けることも厭わない。もちろん、囮になるだけでなく、「幸輝も簡単に僕を使ってくれていたので、(オーバーラップは)うまくできた」と手応えを語る。
 
 守備面でもスムーズに連係できていたようだ。SBとしての顔を持つ安西だけに、ディフェンスの時、どういう位置取りをすれば効果的に守れるかを熟知。後ろで構える山本も「(安西の)ポジショニングは良いし、そんなに指示することはなかった」という。安西も「脩斗君の安定感は凄い。一つひとつのカバーも絶対にサボらない。勉強になるし、守備の部分では勝てないところが多い」と山本に全幅の信頼を置く。
 
 攻守両面で"共鳴"できていた安西と山本の左サイドは、シーズン終盤戦において、ひとつの重要なオプションになるかもしれない。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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