「あまりに悲しくて…」韓国女子代表のビーナス、イ・ミナは値千金弾を決めるも日本に苦杯

2018年08月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

「3位の座だけは絶対に勝ち取らなければ」

日韓戦で貴重な同点ゴールを挙げたイ・ミナ。韓国の精神的支柱は試合後、悲しみに暮れる仲間を励ましなが、銅メダル奪取に意識を切り替えていた(写真はKFA公式ツイッターより)。

 またしても韓国女子代表の悲願達成はお預けとなった。
 
 火曜日に行なわれたアジア大会・サッカー競技で、韓国は宿敵日本との準決勝に臨み、1-2で敗れ去った。先制点を奪われるも終始試合の主導権を握り、68分に追いついて一気呵成に畳みかけたかったが……。逆に86分、オウンゴールを献上して万事休す。このアジア大会は5大会連続でベスト4敗退という憂き目に遭い、ワールドカップやアジアカップを含めたすべてのメジャー大会で一度も、韓国女子代表は決勝進出を果たせていない。選手たちの多くは人目も憚らず、大粒の涙をこぼした。
 
 悲嘆に暮れる仲間を励まして回っていたのが、同点ヘッド決めたMFイ・ミナだ。実力と美貌を兼備するINAC神戸レオネッサのプレーメーカーは、日韓戦で圧巻のパフォーマンスを披露。チャンスを導くキーパスを幾度となく決め、献身的なフォアチェック、惜しみないフリーランで攻撃に幅と厚みを加えたのだ。その存在感は、INACの同僚である日本のFW岩渕真奈、MF中島依美、DF鮫島彩らを凌ぐほどだった。

 
 代表チームの躍進を支えてきた27歳。試合後のミックスゾーンに現われると、気丈にこう話した。
 
「なんとしてでも決勝に辿り着きたいと思っていたし、チームの誰もが全力でプレーしました。でも待っていたのはまたしても悲しい結末でしたね。試合が終わった瞬間はあまりにも悲しくて、言葉が出ませんでした。とくに後半は絶対に追いつけると信じていて、実際に追いついたまでは良かったんですが……。ただ、うつむいていては前に進めない。私たちにはまだもう1試合残っていると、ほかの仲間たちには言いました。かならずメダルを獲って帰るんだと。3位の座だけは絶対に勝ち取らなければ」
 
 過去2大会で3位入賞を果たしている韓国。台湾との3位決定戦に勝利すれば3大会連続でのメダル獲得となる。日本戦の惜敗を糧とし、史上最強の韓国女子代表チームはさらなる飛躍を遂げるか。メンタルリーダーであるイ・ミナは、すでに前を見据えていた。
 
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