【鹿島】「今まで嘘をついていたけど」完全復活に近づく内田篤人の現在地

2018年08月29日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

久々のゲームとは思えないほどの活躍ぶりだった

天津権健戦を振り返り、「やっとこう、動ける気がしてきた」と内田は手応えを語る。写真:徳原隆元

[ACL準々決勝①]鹿島2-0天津権健/8月28日/カシマ

 約3週間ぶりの実戦だった。8月5日のリーグ20節・清水戦で途中出場して以来、内田篤人はピッチから遠ざかっていた。
 
 クラブ史上初のACL制覇に向け、中国の天津権健との準々決勝第1戦、鹿島の背番号2はスターティングメンバーに名を連ね、フル出場を果たす。後半の途中を過ぎても、長い距離を走ってオーバーラップを仕掛けるなど、最後まで精力的なプレーを見せた。
 
「ちゃんと戦ったんじゃない? 自分の中でも調整せずに、というか。本当は、前半はちょっと抑えようかなと思ったけど、あれだけ(チームとして)押し込めていれば、自分も行きたいなっていうのもあった。良い形のチャンスもあったので」
 
 久々のゲームとは思えないほど、躍動感溢れる活躍ぶりだった。ダイナミックに仕掛けつつ、頭はクールに冷静に相手をいなす姿もあった。コンディションはかなり良さそうだ。
 
「やっと、かな。今までみんなに嘘をついていたけど、やっとこう、動ける気がしてきた」
 
 身体の状態を聞かれれば、どこか不安があっても、強がって答えていたことがあったのだろう。だが、今は違う。それは、この天津権健戦でのパフォーマンスが示していたはず。100パーセントではないにせよ、イメージに近いプレーができたのではないだろうか。
 
 もちろん、満足などしていない。
 
「でも、サッカー選手なんで。連戦をこなさなければならないんで。たとえば1試合だけ、そこにピンポイントで合わせられるのはいいけど、できれば連戦でやっていく、次はそこが課題かなと思います」
 
 試合に出られない間、モヤモヤした気持ちがあったかもしれないが、「練習をやっていくなかで、コンディションは上がってきたし。ターンとかもできるようになって、今日も高くジャンプできた。ひとつ、前に進んでいる感じはある」と明かす。
 
 対峙する敵との距離感も上手く詰められている印象だ。以前はやや離れすぎているようにも見えたが、簡単に抜かせない間合いが取れている。
 
「ディフェンスなんで、どうしても相手のターンとかフェイントに合わせなければいけないけど、そこは練習をサボらずにやってきたので。できてきたかなと思う」
 
 攻撃でも守備でも、良い感触を得られているようだ。一つひとつのプレーを確かながら、その度に自信を深めながら、一歩一歩、内田は完全復活に近づいている。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

【ACL 鹿島 2-0 天津権健 PHOTO】内田が先発出場で躍動。ブラジル人コンビの得点で鹿島が第1戦をモノにする
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