名手オーウェンが衝撃の告白!「フットボールを心底憎んでいた」「早く引退したかった」

2018年08月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

トップフォームから程遠い日々を重ねて

どんなに身体が動かなくとも、ピッチに立てば全身全霊のプレーでファンの期待に応えようとしたオーウェン。まさに“永遠のアイドル”だ。(C)Getty Images

 元イングランド代表エースの赤裸々な告白が、英国内で反響を呼んでいる。
 
 英ネットワーク局『BT Sport』のインタビューに応えたのは、38歳になったマイケル・オーウェンだ。リバプール、レアル・マドリー、ニューカッスル・ユナイテッド、マンチェスター・ユナイテッド、そしてストーク・シティと渡り歩いた生粋のストライカーにとって、そのキャリアは苦難の連続だった。
 
 19歳で筋肉を断裂して初めて大怪我を負い、5か月の長期離脱を強いられた。これを皮切りに大小の負傷を重ねて、常に両足のどこかしらに不安を抱えてのプレー。32歳の若さでの早すぎる現役引退も、本人にしてみれば「もはや猶予はなかった」と振り返る。
 
「僕は若くしてスタイルを確立させた。スピードで相手をぶっちぎって、敵陣にどんどん食い込んでいくんだ。フットボールを謳歌していた頃さ。でも怪我によって少しずつ、そのトップフォームから遠ざかっていった。想像してみてほしい。自分のなすべきことがなにかが分かっていて、万全ならやれるはずなのに、身体が付いてこないときのもどかしさを。本能的にはやれるんだけど、すぐに気づかされるんだ。"オーノー、まるでできないじゃないか"ってね」

 
 周囲の期待が大きければ大きいほど、ストレスは肥大化していった。キャリアの終盤戦は、文字通りの地獄だったようだ。
 
「最後の6~7年間、僕はフットボールをプレーすること自体を心底憎んでいた。どこかで早く引退したいと願っていたし、あれ(2013年夏に32歳で引退)でも遅すぎたくらいだ。それほど苦しい時間を過ごしていた。もはや僕であって僕ではなかったからね。出場時間は短く、ボックス内でも大した仕事ができなくなっていた。人びとは違いをもたらす偉大なスコアラーだとは見なさなくなっていたんだ。メンタルではやれると思っていても、フィジカルが応えてくれなかった」
 
 潔くスパイクを脱いだことに関しては、微塵も後悔してない。
 
「自分のスタイルを押し通せなくなって、衰えを感じ始めたら、ディビジョンを落として、もっとレベルの劣るチームと対戦することで現役を永らえることはできただろう。でも僕にはそれができなかったんだ。自分自身の限界に耐え切れなかった、もはや猶予がないなかでの引退の決断だった」
 
 18歳でフランス・ワールドカップの舞台に立ち、アルゼンチン戦で衝撃の独走弾を決めたオーウェン。ワンダーキッド、早熟の天才と謳われ、リバプール時代にはゴールを量産し続けたが、ニューカッスル入団以降にシーズンで二桁得点を記録したのは、たったの一度だけ。3度のワールドカップに出場したイングランド代表では89試合・40得点の戦績を残したが、結局は29歳で招集されたのが最後となった。
 
 スーパースターゆえの苦悩。引退から5年後、ファンにもたらされた衝撃の告白だ。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事