久保建英には”サッカーの神様”がついている?鮮烈ゴールで高まる飛躍への期待感

2018年08月27日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「ここで結果が出なかったら…」

この夏にFC東京から出番を求めて横浜へと移籍。神戸戦のゴールは、強い覚悟が生んだものだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ24節]神戸0-2横浜/8月26日/ノエビアスタジアム神戸
 
 17歳の久保建英は、やはり"サッカーの申し子"なのかもしれない。
 
 今年8月16日にFC東京から横浜F・マリノスへと移籍してから、公式戦2試合目の出場にしてJ1初ゴール。アンドレス・イニエスタとの"元バルセロナ対決"という点でも注目を集めた神戸戦の活躍は、日本国内はもちろん、海外でも大々的に取り上げられているようだ。
 
 とはいえ、バルセロナの下部組織で育ったエリートの久保にとっても、J1初ゴールまでの道のりは、平坦ではなかった。
 
 クラブの外国人選手獲得・登録違反の影響により、10歳から約3年半を過ごしたバルセロナを退団してFC東京の下部組織に入団。トップチームに昇格して2年目の今季は、シーズン開幕当初こそ途中出場で出番を得ていたものの、徐々にベンチ外が増えていった。
 
 横浜への期限付き移籍を決断したのは、出番を求めたからだった。それだけに特別な想いを持って臨んだ神戸戦でのゴールには、大きな価値がある。
「自分が今回決断して、ここで結果が出なかったら、周囲からは『やっぱりだめじゃん』と言われるのは明らかだった。ここでまず結果を出せて、ホッとしていますし、応援してくれている人たちも良い気持ちだと思うので、嬉しいですね」
 
 久保は試合後に安堵の表情を浮かべる。この日の活躍は、苦悩を取り払うなによりの"特効薬"となったに違いない。
 
「後半にゴールを決めた後は身体も軽くなって、何度か良い形を作れました。そういうところでやっぱり結果を残せたのは、サッカーの神様がいるんじゃないかなと思いました。ここで気を緩めずに、次の試合も勝点3を取って、少しでも上の順位にいけるように頑張っていきたいです」
 
 ひと際注目を集めた試合で、歴代2番目の若さでJ1初ゴールを奪ってしまうのだから、この若武者には本当に、"サッカーの神様がついている"のかもしれない。ひと皮剥けた17歳は、さらに大きく飛躍を遂げそうだ。
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)

【神戸0-2横浜 PHOTO】久保がJ1初ゴール!!仲川の追加点でマリノスが競り勝つ!
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