「単なる首位チームではない」C大阪のソウザが明かす“広島の恐ろしさ”

2018年08月26日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「強いマークが来ている感覚がずっとあった」

広島戦で先発したソウザは89分までプレー。しかし自慢の推進力を発揮できなかった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ24節]C大阪0-1広島/8月25日/ヤンマースタジアム長居
 
 C大阪は、J1の24節で首位の広島に0-1で敗戦。15分の失点を取り返すために攻勢を強めても強固なブロックを打ち崩せず、逆に前掛かりになった隙を突かれてカウンターから度々ピンチを迎えた。首位チームの底力に屈した格好だ。
 
 決して圧倒されたわけではないが、それでも差はあったようだ。C大阪の選手が感じた広島の強さとはなんなのか。
 
「試合をしてみて、広島はただ単に首位にいるチームではないなと思いました」
 
 試合後にそう語ったのは、MFのソウザだ。山口蛍とともに3-4-2-1システムのボランチでコンビを組んだブラジリアンは、広島の恐ろしさをさらに続けて明かす。
 
「よく練習されていて、オーガナイズされていると思います。いつパトリックにボールを入れればいいのかも、チーム全体で把握している気がしました。みんなが勇気を持って、ポゼッションしてくるチーム。自分たちがポゼッションで上回っているかもしれないけど、向こうのほうが危険なシーンを作っていました」
 opta提供のデータによれば、この試合のポゼッション率は、51.8%(C大阪)対48.2%(広島)。むしろボールを回していたのは、C大阪のほうだった。
 
 それでもシュート数は10対11で、広島のほうが多い。いかに効率よく攻撃を組み立てているかが分かる。とりわけ、C大阪からすれば、中盤や最終ラインから最前線のパトリックへとつなぐロングカウンターは脅威だったに違いない。66分、81分には、まさにパトリックにマテイ・ヨニッチとオスマルの背後を突かれて、間一髪のシーンを作られていた。
 
 さらにソウザは以下のようにも話していた。
 
「はっきりしたポイントはなく、すごいみんなの連係が取れている。自分も蛍も自由にやらせてもらえなかった。強いマークが来ている感覚がずっとありました」
 
 強いマークを感じていたというソウザの言葉を裏付けるデータが、デュエル勝率だろう。この日、C大阪が対人戦で勝利したのは、わずか38.5%。6割以上の確率で広島の後手を踏み、連動したプレッシングに手を焼いていた。
 
 C大阪はリーグ戦では3-4-2-1システムを採用してまだ4試合目。スコアの差はわずか1点だが、そこにはチームとして明らかな習熟度の差があったのかもしれない。
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)

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