本田欠場のメルボルン・Vから大金星! 殊勲の2得点を叩き出した気鋭の日本人FWって?

2018年08月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

地元局が「ミラクルを起こした!」と絶賛

豪州カップ戦で圧巻の2ゴールを叩き出した関谷(左)。本田が所属するメルボルン・V撃破の立役者となり、一躍脚光を浴びている(写真は公式ツイッターより)。

 オーストラリアの国内カップ戦、FFAカップのラウンド16で波乱が起きた。昨シーズンのAリーグ王者で、本田圭佑の入団が発表されたばかりのメルボルン・ヴィクトリーが、ニューサウス・ウェールズリーグ(実質2部のセミプロリーグ)のAPIAライカールト・タイガースに2-3で敗れ去ったのだ。アップセットの立役者は、鮮烈の2ゴールを挙げた「タスク・セキヤ」という日本人選手である。
 
 公式戦デビューかと期待された本田は遠征メンバーには名を連ねたものの、まだ合流まもないこともあり、最終的にはエントリー外となった。それでも相手は実質2部とはいえ、戦力値では比べようがない格下だ。下馬評では断然、メルボルン・Vが有利だったが……。やはりコンディションとモチベーションの差が顕著だった。シーズン開幕前のAリーグクラブと、シーズン終盤で最大の見せ場がこのFFAカップである下部クラブとの対戦は、勢いの違いが如実に表われるゲーム展開となった。

 
 そこで特大の輝きを放ったのが25歳の日本人ストライカー、関谷拓だ。湘南ベルマーレユースから青山学院大学に進学し、卒業後の2016年にタイガースへ入団。以降はエースとしてゴールを量産し続けており、今大会初戦(1回戦)のポート・メルボルン戦でも1-0勝利の決勝点をマークし、地元のヒーローとなっていた。
 
 まずは開始9分。右サイドから持ち上がった関谷は、斜め45度から狙い澄ましたショットでファーサイドを抜き、貴重な先制点をゲットする。その後も再三に渡って巧妙に裏へ抜け出す十八番のプレーを随所で披露し、タイガースの効果的なカウンターを引き出した。そして迎えた47分、今度は左サイドから強引にカットインしてエリア内に切れ込み、至近距離から右足で蹴り込んだ。小さなスタジアムは割れんばかりの歓声に包まれた。
 
 試合はその後、メルボルン・Vに意地を見せられて一度は2-2とされるが、タイガースはリスタートから80分に勝ち越しに成功。終盤の敵の猛攻を凌ぎ切り、大金星を挙げたのである。

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