「人生を犠牲にすること」ヴェンゲルが“教え子”アンリへ監督の在り方を説く。注目の去就については…

2018年08月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

ヴェンゲル、日本代表監督就任も噂されたキャリアについては…

多くの選手を一流プレーヤーに育て上げ、なおかつ数多くの栄冠を勝ち取ってきたヴェンゲル(左)は、監督としてのキャリアを始めようとするアンリ(右)へエールを送った。 (C) Getty Images

 チーム編成を巡り、ウルグアイ人監督のグスタボ・ポジェと対立し、指揮官に1週間の活動停止処分を科したボルドーは、後任候補として元フランス代表FWのティエリ・アンリへの関心を強めているとされている。

 先のロシア・ワールドカップでベルギー代表のアシスタントコーチも務めたアンリ。自身と同じストライカーであるロメル・ルカクとの師弟関係は大会中にも話題となった。去就が注目される元フランス代表FWの指導者としての可能性を、古巣アーセナルの指揮官を昨シーズン限りで退いたアーセン・ヴェンゲルは、どう見ているのだろうか?

 ヴェンゲルは、仏紙『Corse Matin』で、「彼は監督業を望んでいる。彼は知的で、しっかりとやれるだけのクオリティーも持っているよ」と太鼓判を押しつつも、かつての"教え子"へ向け、指導者の道が何たるかを説いた。

「我々が常に自問するのは、監督という仕事のために生活を犠牲にする用意があるかということだ」

 1996年10月から約22年にわたってアーセナルで指揮を執ったヴェンゲルは、「自身は人生を犠牲にしてきたか」という問いには、「もちろんだ」と返している。

「情熱的であることは、同時に自分勝手でもある。情熱的であれば、自分が愛し、自分がもっと多くを与えられたはずの人たちから、時間を盗むことになるものなんだ」

 そんな犠牲を伴う日々にピリオドを打ち、アーセナルを去ったヴェンゲルは、現場を離れて3か月になる。それだけに今後は気になるところだが、「決めないと決めたんだ」と明確な答えを出すことはしなかった。

「私はあれだけ長く夢中になっていたから、9月になるまでは何も決めないと自分に約束したんだ」

 一時は日本代表監督候補とも言われたヴェンゲルは、自身が設定したタイムリミットが間もなく迫るなか、はたして、どのようなサッカー界に携わるための決断を下すのだろうか。
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