開幕2週間で早く始まったモウリーニョの進退騒動。OBは続投支持も、ファンは解任に…

2018年08月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

元リバプールDFは「マンUの伝統的な監督ではない」と批判

モウリーニョは、黒星を喫したブライトン戦の直後に「私を批判に向かわせないでくれ」と異例の要求をメディアの前で公言するなど、今シーズンは開幕前から冷静さを欠いているようにも見える。 (C) Getty Images

 現地8月19日、マンチェスター・ユナイテッドは、プレミアリーグ第2節でブライトンに敵地で3-2と敗れた。開幕から2試合目での敗北に、ジョゼ・モウリーニョ監督の周辺は騒がしくなっている。

「補強がなければ難しいシーズンになる」――開幕前の指揮官の"予言"は、現実のものとなりつつある。それだけに、モウリーニョが望んでいた守備の強化が実現しなかったことを問題視する声も少なくない。

 クラブOBのギャリー・ネビルは、英衛星放送「Sky Sports」で、「監督を信じ、信頼を示して契約を延長したのなら、彼にセンターバックを買わなければいけなかった」と発言。今年1月にモウリーニョ監督と2020年6月まで契約を延長したエド・ウッドワードCEOの補強における振る舞いを批判している。

「ウッドワードは(ハリー・)マグワイアと(トビー・)アルデルワイレルドを獲得すべきだった。彼らならブライトン戦であんなミスはしなかったはずだからだ。アルデルワイレルドとマグワイアは良いオプションと成り得た。1億2000万ポンド(約180億円)かかったとしても、モウリーニョを支えると決めたなら、それをすべきだった」
 

 さらにG・ネビルは、「契約の最後の最後までとどまらなければならず、それまで支えられるべきというのが私の見方だ」と、モウリーニョが現行契約を全うするまで続投させるべきという見解を述べた。

 一方、元リバプールDFジェイミー・キャラガーは、同じく「Sky Sports」で、「(要望した補強が実現しなかった)夏を経て、このパフォーマンスが続けば、モウリーニョは来シーズン、マンチェスター・Uの監督じゃないと思う。今シーズンのどこかでそうなるかもしれない」と、シーズン中の解任もあるとした。

「モウリーニョは明日ではなく、今のための監督だ。だからこそ、彼はズラタン・イブラヒモビッチやアレクシス・サンチェス、ネマニャ・マティッチを買い、29~30歳のCBを見ている。彼に『我々はユナイテッドのやり方でいく』と言ったり、若い選手を買い始めたりはできないんだ。それをするなら、モウリーニョも外すことになる」

 モウリーニョの戦績は、彼を支えるべきとするのにふさわしい。就任の時に彼が伝統的なユナイテッドの指揮官でないことは分かっていたはずだ」

 このキャラガーの意見に同調するかのようにファンの反応も辛辣だ。「誰が責められるべきか」を問う『ESPN』のアンケートでは、5万4000人を超えるユーザーのうち、56%が「モウリーニョ」と回答。「ウッドワードCEO」の26%や「選手」の18%を大きく上回った。

 それでも、マンチェスター・Uの情報筋の話として「EPSN」が伝えたところによれば、ウッドワードCEOは、モウリーニョが現状を改善できると信じ、続投を支持しているとのこと。一部で噂になったジネディーヌ・ジダン前レアル・マドリー監督との関係も否定したという。

 開幕から2週間も経たないうちに、指揮官の進退を巡る騒ぎが起きているマンチェスター・U。モウリーニョとチームは、この事態を変えることができるのか。注目の次節は27日、本拠地オールド・トラフォードで難敵トッテナムと対戦する。
 
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