ロシア・ワールドカップでの奮迅の活躍を経て、鳴り物入りでベティス入団を果たした乾貴士。根っからの明るい性格もあって瞬く間にチームに溶け込むと、肝心のピッチ上でも新指揮官キケ・セティエンに好アピールを続けている。
 
　そんな日本代表アタッカーの立ち居振る舞いに感嘆の声を上げたのが、セビージャの地元メディア『ABC de Sevilla』だ。エイバルからやって来た男の"適応力"についてこう綴っている。
 
「ワールドカップ後の休暇もあって合流はずいぶんと遅れたイヌイだが、あっという間にチームに馴染んでしまった。グループの一員になるどころか、しっかり輪の中心にいるのだから素晴らしい。彼は自分がエイバルでどんなプレーをし、ワールドカップでなにを成し遂げたのかを無理なく仲間たちに理解させているのだ。驚くべき天賦の才である」

 

　練習前のウォーミングアップが、そのシンクロぶりを如実に表わしているという。
 
「とにかくイヌイはいつも笑っている。カナレスやバルトラといった選手たちとボール回しで身体をほぐしていると、間を置かず、そこに（クラブ随一の実力者である）ホアキンが加わるのだ。イヌイとホアキンはふざけてよく冗談を言い合っている。こうした光景は入団直後から見られた。あれから数週間が経過し、イヌイの存在感は増す一方である。これは彼にとってもチームにとってもグッドニュースで、ポテンシャルをフルに発揮するのにきっと役立つだろう」
 
　リーガ・エスパニョーラの2018－19シーズンはいよいよ今週末に開幕し、ベティスは金曜日に本拠地でレバンテを迎え撃つ。乾の先発出場はあるのだろうか。
 
「水曜日の練習でイヌイは実に精力的で印象的だった。つねにインテンシティーの高いプレーを披露して指揮官に存在を示し、仕上がりの良さを確認させたのだ。レバンテ戦で先発を飾ってもなんら不思議ではないが、なんにせよ、金曜日にサポーターはイヌイのホームデビューを見届けることになるだろう」
 
　リーガ屈指の熱狂的なスタジアム、ベニート・ビジャマリンで、乾貴士の新たなチャプターがスタートする。