「イデグチに出場時間は提供できない…」リーズのビエルサ監督が開幕直後に厳しい宣告

2018年08月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

窮地に立たされた若武者・井手口

プレシーズンでは懸命にプレーを続けた井手口(右)だが、智将ビエルサ(左)の信頼を得るには至らなかったようだ。  (C) REUTERS/AFLO

 今シーズンから本格的にイングランドでの挑戦に臨んでいる井手口陽介が、早くも窮地に立たされている。

 井手口は、今年1月にガンバ大阪からリーズに加入するも、イングランドでの就労ビザの関係により、すぐさまスペイン2部のクルトゥラル・レオネサにレンタルで出された。しかし出場機会を満足に得られず、その結果、出場が有力視されていたロシアW杯のメンバーからも外れた。

 21歳の若武者は、今夏からリーズに正式加入。新たに就任したマルセロ・ビエルサ監督の下で再出発を切っていた。

 しかし、6試合中3試合に出場したプレシーズンで、「影を完全に落としているいま、彼がチャンピオンシップ(英2部)で、『やれる』という確証を見つけるのは難しい」と地元メディア『Leeds Live』に断じられた井手口は、ビエルサのことも納得させられず、8月5日(現地)に開幕したリーグ戦のメンバーから外れた。
 

 チャンピオンシップ開幕戦で、今シーズンにプレミアリーグから降格してきたストークを3-1と一蹴したリーズ。その快調なスタートに「ハイインテンシティーな試合で、チームは野心的だった」と満足感を示したビエルサは、試合後の会見で井手口が招集外となった理由を明かした。

「イデグチは約6週間のプレシーズン期間中に非常に良い練習をして必死に頑張っていたし、ポジティブな進化も見られた。しっかりと評価すべきプロフェッショナルである。ただ、私は正直に言わねばならない。いまの彼はどのポジションでも2番手までの選択肢に入っていない」

"戦術オタク"の異名を持つアルゼンチン人監督のビエルサは、井手口が2番手にも入らない要因に、「言葉の問題」を指摘した。

「(彼との間には)言葉の障壁がある。イデグチは英語もスペイン語も理解できない。だから、彼のプレーを分析する際にはスカイプを介して日本の友人の助けを借りているんだ」

 プレー面だけでなくコミュニケーションの部分での問題も挙げたビエルサは、記者から「イデグチに残ってほしいか?」と問われ、「チームに残るかどうかは分からない」として今夏中の放出の可能性を示唆している。

「現状では、彼にふさわしい出場時間を提供することはできない。だから『残ってほしい』というのはフェアではないだろう。だが、もし残るのなら彼を助けるため、あらゆる手を尽くすつもりだ」

 指揮官から厳しい宣告を受けてしまった井手口は、今後もリーズでの成長を目指すのか。それとも、新天地を探すのか。21歳の日本人MFは、早くも決断が迫られている。
 
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