マルディーニ、9年ぶりに古巣ミラン復帰! レジェンドの入閣を「大きな価値がある」とレオナルドGM

2018年08月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

役職は「スポーツ戦略・開発責任者」

ともにミランで一時代を築いたマルディーニとレオナルドが、フロントでタッグを組むことになった。写真はマルディーニの引退し、レオナルドがミランの監督に就任した2009年。 (C) Getty Images

 セリエAのミランは8月5日(現地時間)、クラブのレジェンドである元イタリア代表DFのパオロ・マルディーニがフロント入りすることになったと、公式サイト等で発表した。
 
 2009年に現役を引退して以来となる、ミラン復帰を果たしたマルディーニ。その役職はスポーツ戦略・開発責任者(Sporting Strategy & Development Director)というものになる。
 
 ミランは先月、中国資本からアメリカのヘッジファンド「Elliott(エリオット)」に経営権が渡り、これまで実権を握っていたマルコ・ファッソーネCEO、マッシミリアーノ・ミラベッリSDが解任されるなど、フロント陣の"組閣"が行なわれた。
 
 新たな執行役会長にはパオロ・スカローニ、GMには元ブラジル代表で、ミランでは選手としてだけでなく、引退後はアドリアーノ・ガッリアーニ元副会長の右腕としてフロント入りし、監督も務めたレオナルドが就任。この流れのなかで、マルディーニの入閣も噂に上がっていた。
 
 マルディーニはガッリアーニや一部のミラニスタ(サポーター)との確執により、引退後はミランと距離を置き、昨年、ガッリアーニがシルビオ・ベルルスコーニ・オーナーとともに退陣した際にはフロント入りを求められたものの、オファーされたのは実権を持たない"お飾り"の役職だったことで、これを拒絶していた。
 
 今回も、「エリオット」が実務経験のある人材を求めていたこともあり、マルディーニ自身も否定的なコメントを発していたことで、入閣は実現しないと思われていたが、GMに就任したレオナルドが、かつてのチームメイトであるマルディーニの協力を強く欲したことで、ついに復帰と相成った。
 
 レオナルドGMは、「パオロは素晴らしい友人であり、マルディーニ家はミランの歴史そのものだ。彼と一緒に仕事ができることは、とても素晴らしく、大きな価値がある」と喜びの言葉を残している。
 
 またスカローニ会長も、以下の言葉でレジェンドの復帰を歓迎した。
 
「マルディーニはミランを代表する存在であることは言うまでもない。彼は多くのトロフィーをクラブにもたらした。新しい役職に就いたマルディーニと一緒に仕事ができるのは、とてもエキサイティングなことであり、大きな名誉だ。
 
 そのリーダーシップと経験は、ミランにとって大きな利点、そして情熱やエネルギーとなる。マルディーニの到来は、ミランが本来あるべき姿に戻るために、重要なステップとなる」
 
 ミランは6日、オフィスのある「カーサ・ミラン」で会見を行ない、そこでマルディーニも所信を述べる予定だが、5日に更新した自身のインスタグラムには、赤のシャツと黒のパンツでトレーニングする自身の写真を掲載するとともに、「赤と黒。私の大好きな色だ」と綴って、クラブ愛を改めてアピールしている。
 
 ミランが初めて欧州制覇を果たした1963年にチームのキャプテンだったチェーザレの息子であり、ユースチームを経て1985年1月、16歳でトップチームにデビューし、以降、25年間にわたり、輝かしいキャリアを築き上げたマルディーニの復帰で、復興を目指すミランの「ラストピース」が埋まったと言えるかもしれない。
 
 この9年間、愛するミランに対し、時に優しく、時に厳しく突き放す発言もしてきたレジェンドは、ここから選手時代同様に優れた手腕を発揮することができるか。ユニホームからスーツに着替えて、新たな歴史を作ることとなるマルディーニに、ミラニスタも喜びと期待を感じているに違いない。
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