風間監督の教えに「今までのチームにない感覚」を覚えた前田直輝は、名古屋の救世主か?

2018年08月02日 小林健志

1ゴール・1アシストで約5か月ぶりの勝利に大きく貢献

仙台戦で移籍後初ゴールを含む1得点・1アシストと活躍を見せた前田。名古屋の救世主となるか。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 約5か月ぶり、じつに17試合ぶりの勝利を挙げた名古屋。勝点3獲得に大きく貢献したのは、J2松本から移籍後2試合目の出場となったMF前田直輝だった。
 
 30分、左サイドに開いてボールを受けたFWジョーからグラウンダーのクロスを受けた前田。
「ジョーがクロスを上げるタイミングで自分には頭には来ないと思った。そしてジョーがもぐって来るのが見えた。自分でターンという選択肢もあったが、前向きで良いスピードで入ってきていたので、パスを出した」
 
シュートという選択肢もあった中、前田の選択は「もぐる」動きをしていたジョーへのヒールパス。マークに付いていた仙台DF大岩一貴の意表を突くプレーだった。そして猛然とゴール前に現われたジョーはパスを受けると、見事に右足でゴールへと押し込んだ。
 
「練習からジョーの近くでというイメージはあった。ジョーはインサイドパスも振りが大きくてリーチを生かしたパスがある。あそこで半歩前に出られるのはもう分かっていた。あそこでジョーが来る、というのはイメージできた」
 練習から近くにいてジョーをよく観察していたからこそ生まれたゴールだった。
 
 さらに圧巻は40分。MF和泉竜司が中盤左サイドでボールを奪いに来た仙台MF奥埜博亮、MF富田晋伍の2人を置き去りにしてスルーパス。これに反応したのが前田だった。鮮やかな左足シュートがゴールネットを揺らした。
 
 この時前田は、これまで在籍したチームでは体感しなかった感覚を覚えたという。
「今までだったらスペースに走って受けようとしていたが、竜司君がスペースじゃなくて足下にピタッと入れてくれた。これは風間さんが口を酸っぱくして言っていたところなので、そこを表現できたのは今までにない感覚で楽しい」
 
 これまで在籍したチームはスペースやポジションを意識させることが多かったが、足下へボールをピタリと付けるという感覚に新鮮さを感じたという。
「斜め(ダイヤゴナル)に抜けるとか、スペースに走るという感覚は今まであったが、止まって相手からプルアウェイして逃げて、足下にボールを入れてもらうのはなかなか無かった感覚だった」
 

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