鹿島を襲う"駒不足"と"過密日程"…大岩剛監督に現状を乗り切る算段はあるのか?

2018年08月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

植田、金崎が移籍し、昌子が負傷離脱。台所事情は正直厳しい

リーグ中断明けから15日間で5試合を消化。疲労の影響が出るのは当然だろう。(C)J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ19節]鹿島1-2FC東京/8月1日/カシマ

 勝利を喜ぶFC東京の輪を横目に、力尽きた鈴木優磨がその場にうずくまった。足枷がついたかのように動かない足。身体は重く、鹿島の選手たちは一様に精彩を欠いた。
 
「ボールを追い越して走っていける選手がほとんどいなかった」と土居聖真。7月シリーズで4戦3得点と好調だったFWが、疲労の色を見せながら試合を振り返った。
 
 リーグ中断明けの鹿島は、磐田戦(7月18日)から始まり、ACLで未消化だったC大阪が25日に行なわれたことで、15日間で5試合を消化した。中3日、中2日、中2日、中3日という真夏の過密日程で、2トップの鈴木、土居やMF安部裕葵、DF安西幸輝といった連戦で好調だった選手たちも、5試合でほぼフル稼働に近いプレー時間。酷使の"ツケ"が上位との直接対決の試合で回ってきてしまった。
 
 試合開始時こそ見せていた勢いも、暑さで体力が消耗されていくとともにキレがなくなり、前半のシュート数はFC東京の4本に対して2本。調子が上向きだった鈴木、土居の2トップも目に見えて運動量が激減し、ともにシュートはゼロ。FC東京の守備を前に持ち味を発揮することはできなかった。
 
 後半も"動けない"得点源のふたりに依存する時間が続き、土居は89分に田中稔也と代わるまでプレー。鈴木に至っては最後までピッチに立ち続け、3戦連続のフル出場となり、試合が終わった時にはしばらく立ち上がることができなかった。
 
 攻撃陣だけでなく、守備陣も体力の限界。特に今季リーグ前半戦はサブ組だったCBのふたり、犬飼智也と町田浩樹は動けず。ワールドカップ後に植田直通がベルギー1部セルクル・ブルージュへ完全移籍したことで犬飼が定位置を確保し、C大阪戦で昌子源が負傷したことで、町田に出番が回ってきたが、ともに連戦の経験が乏しく、FC東京戦では後半は後手に回る場面が散見。後半交代出場した永井謙佑、リンスの動きにまったくついて行けずに、決勝点を許してしまう低調なパフォーマンスを見せてしまった。
 
 8月はこのFC東京戦から始まり、28日のACL準々決勝第1戦の天津権健戦(ホーム)まで7試合を戦わなければいけない。7月に蓄積された疲労が、さらに足枷となって選手たちにのしかかることになるだろう。
 

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