F・トーレスから主役の座を奪った!清水の“超優良”助っ人ドウグラスが再びJを席巻するか

2018年08月02日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

F・トーレスをあざ笑うかのようなパフォーマンス

鳥栖戦で移籍後初スタメンを飾ったドウグラス。G大阪戦に続き、2戦連続ゴールも決めた。写真:徳原隆元

[J1リーグ19節]清水1-0鳥栖/8月1日/IAIスタジアム日本平
 
 8月1日に開催されたJ1の19節・清水対鳥栖戦でひと際大きな輝きを放ったのは、フェルナンド・トーレスでもなければ、金崎夢生でもない。この夏、清水に加入したドウグラスだった。
 
 Jリーグファンであれば、その名前を知らない人はいないだろう。徳島や京都に在籍し、2015年シーズンには、その年の得点ランク2位の21ゴールを奪い、広島を3度目のJ1制覇に導いた立役者である。
 
 広島での優勝後、UAEのアル・アイン、トルコのアランヤスポルを経て再びJの舞台に戻ってきたこのブラジル人FWは、新天地でもその実力を早速発揮している。
 
 前節のG大阪戦で途中出場して清水デビューを飾ったドウグラスは、ピッチに立ってわずか12分後、ヘディングシュートを突き刺し、自らに"復帰祝い"を捧げた。
 
 そして移籍後初先発した鳥栖戦でも圧巻のプレーを見せる。白崎凌兵のスルーパスに抜け出すと、敵DFのマークを振り切りエリア内深くに力強いドリブルで侵入。慌てた敵DFのファウルを誘いPKを獲得する。
 
 そのPKを冷静にチップキックで沈めて2戦連続ゴールを奪ったドウグラスは、その後もチームの攻撃を牽引。巧みにボールを引き出せば、相手を鮮やかにかわして何度もチャンスを演出し、常に相手の脅威となり続けた。
 
 まるで、3試合出場していまだ無得点のF・トーレスをあざ笑うかのようなパフォーマンス。とはいえ、本人はこの世界的ストライカーの存在も意に介してはいなかったようだ。試合後には以下のように語っている。
 
「(F・トーレスのことは)まったく意識はしていなかった。勝利しか考えていない。たしかにレベルの高い選手はいましたけど、だからと言って特別負けたくないと思うわけではないし、どことやっても負けたくない気持ちはある」
 
 ドウグラスが見据えるのは、チームの勝利のみ。そのスタンスも素晴らしいが、恐ろしいのは、まだコンディションが万全ではないことだ。トルコでのシーズンを終えてから、公式戦までは少しブランクが空いていた。
 
「これからもっとコンディションを上げていきたいと思います。もっとチームに貢献してチームメイトと一緒にもっと勝利したい。そしてもっと順位を上げていきたい」
 
 トップフォームになれば、もう止めるのは困難だろう。"超優良"助っ人ドウグラスが、再びJを席巻するかもしれない。

【清水 1-0 鳥栖 PHOTO】先発のF・トーレスは不発。試合巧者の清水が勝利
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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