C・ロナウド退団で難題に立ち向かうロペテギが考えるマドリーの“新エース”は?「穴埋めは彼がする」

2018年08月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

新進気鋭の若手ばかりの補強が目立つ今夏のマドリー。

最も難しいタイミングでの監督就任となったロペテギだが、難題克服に意欲を示している。 (C) Getty Images

 大黒柱だったクリスチアーノ・ロナウドとの9年シーズンに渡る蜜月関係に終止符を打ち、さらに指揮官もジネディーヌ・ジダンからジュレン・ロペテギに代えた今夏のレアル・マドリーは、クラブとして大きな転換期を迎えている。

 前人未到のチャンピオンズリーグ(CL)3連覇を成し遂げた白い巨人が、今夏の移籍市場で放出したのは、C・ロナウドだけだが、その影響力は計り知れない。9年連続でシーズン50ゴール以上をマークした絶対的な点取り屋を失ったのだ。

 そんな大黒柱の代役確保は、当然、極めて困難なミッションである。本命とされていたネイマールは、本人がパリ・サンジェルマン残留を明言。さらに次点とされ、相思相愛の関係であることが報じられたエデン・アザールの獲得も、チェルシーの徹底抗戦に受け、事実上の破談に追い込まれた。

 しかし、新監督のジュレン・ロペテギは自信を漲らせている。

 先のロシア・ワールドカップ直前にスペイン代表監督の座を解任されてまで、マドリーの指揮権を求めたとされている51歳の智将は、C・ロナウドの退団の影響について次のように語った。スペイン紙『Marca』が伝えている。

「私が、このクラブとサインした時、クリスチアーノはまだ我々の選手だった。だが、それからすぐに『移籍したい』という意思を示してきた。マドリーの監督として、クラブ史上最も偉大な男を留めておきたい気持ちはあったが、受け入れるしかなかった。彼抜きで新たに競争力のあるチームを作るというのは、エキサイティングなミッションだね」

 大黒柱の離脱を嘆くことなく、新たなチーム作りに心躍らせるロペテギ。そんな指揮官が中心となって展開しているマドリーの今夏の補強は、アンドリー・ルニン(19歳・GK)、アルバロ・オドリオソラ(22歳・DF)、ヴィニシウス・ジュニオール(17歳・FW)と、ここまではいずれも新進気鋭のタレントばかりで、クラブの近未来を見据えた補強といった印象だ。

 では、最重要課題であるC・ロナウド退団の穴をいかに埋めるのか? ロペテギは、一時は退団も噂された男を、大胆にも"新エース"と公言している。

「我々は、ベイルが『素晴らしい1年を過ごすだろう』と(クラブを)説得した。私自身、彼には多くのことを期待している。並外れた選手であることは間違いないし、高いクオリティーを持ち合わせている。クリスチアーノの穴は、彼が埋めてくれるだろう」

 2013年の夏にトッテナムから加入して以来、相次ぐ怪我に苦しんで満足のいくシーズンを送れていない印象が否めないベイル。そんなレフティーが、指揮官からのエース任命を受けて、奮起するかどうか。これは、マドリーの新シーズンの大きなポイントとなりそうだ。

 いずれにせよ、絶対的な得点源を失ったなかで、CL4連覇、さらにリーガでの覇権奪還という難題を就任1年目から背負うロペテギは、課せられたミッションをいくつクリアできるのか? その手腕に注目したい。
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