「名前を憶えて損はなし!」 アーセナルに突如現われた17歳の超新星『スミス・ロウ』って一体何者?

2018年07月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

知将エメリに「このクラブの未来」と言わせた才能。

トップチームに登録されたばかりの17歳、スミス・ロウ。早くもその期待に応えるパフォーマンスを披露した。 (C) Getty Images

 昨シーズンいっぱいでアーセン・ヴェンゲルとの22年にも及ぶ蜜月関係に終止符を打ち、スペイン人監督のウナイ・エメリの下で、クラブの新たな時代をスタートさせたアーセナル。復権を目指す北ロンドンの雄に、期待の超新星が現われた。

 その名はエミル・スミス・ロウ。9歳からアーセナルの下部組織で育った攻撃的MFだ。今夏にトップチーム登録されたばかりの17歳だが、そのインパクトは特大である。

 7月26日にシンガポールで行なわれたインターナショナル・チャンピオンズカップ(※プレシーズンマッチ)のアトレティコ・マドリー戦で先発に抜擢されたスミス・ロウは、トップ下に位置すると、立ち上がりから物怖じしない果敢な仕掛けでチャンスに絡むと、47分に魅せる。

 敵バイタルエリアから前を向いて果敢なドリブルを仕掛け、細かなタッチを駆使してアトレティコ守備陣を翻弄。豪快なシュートをゴール右上隅に突き刺した。

 スミス・ロウは、このゴールシーン以外にも、柔らかいボールタッチやチームのテンポを殺さないパスワークなど、周囲を驚かせる堂々たるパフォーマンスを披露。アーセナルはPK戦の末に敗れたものの、17歳の超新星に対する評価は上々だ。

 先発として抜擢したエメリは、「クラブの未来となる選手だ」と絶賛した。

「スミス・ロウにはとても満足しているよ。15歳の頃から、ユース年代の代表チームでプレーしてきただけのことはあるね。それもすべて、アーセナル・アカデミーで彼がやってきたことが素晴らしいからだ。彼はこのクラブの未来だし、いまやトップチームでやれるだけのクオリティーを持っていると言っていい」

 エメリから称賛されたスミス・ロウへは、現地メディアも賛辞を贈っている。英紙『Daily Mail』が「アーセナルの若き才能がさっそく期待に応え、美しいゴールを決めた」と綴れば、さらに英紙『Mirror』は「アーセナルに突如して恐ろしいワンダーキッドが現われた」と記した。

 そして、英メディア「Sky Sports」は次のように期待を寄せている。

「間違いなくアーセナル・ファンの記憶に、その名が刻まれたことだろう。他クラブのファンも『エミル・スミス・ロウ』という17歳の少年の名前を憶えておいて損はない。かつて、チェルシーやトッテナム、バルセロナからも声をかけられた経験を持つが、彼はそれを蹴ってアーセナルに残ったほどのクラブ愛も持っている。

 トップチームでのデビュー2戦目にしてアトレティコからゴールを決めたスミス・ロウは今夏、出場機会を与えるためにクラブがレンタル移籍させる可能性もあるが、エメリが彼の未来に可能性を感じていることは確かだ」

 アーセナルの攻撃的MFのポジションは、メスト・エジル、ヘンリク・ムヒタリアン、アレックス・イウォビ、アーロン・ラムジーと多士済々だ。ノリに乗っているとはいえ、17歳のルーキーがポジションを掴むのは決して容易ではないだろう。

 しかしながら、スミス・ロウがアトレティコ戦で見せた堂々たるプレーぶりは、今シーズンでのブレイクを予感させるものだったことは間違いない。
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