森保新監督が描く世代交代のプランは"全世代融合型" 「五輪からA代表」だけでなく、さらに下のカテゴリーも

2018年07月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ただ、ベテランの選手を招集しない、若い選手を経験させるという意味で入れ替えるのではない」

森保新監督は「経験を積んだベテランの選手たちが持っているものを、経験の浅い選手たちに伝えてもらいたい」とも語った。写真:徳原隆元

 日本サッカー協会は26日、都内で会見を開き、日本代表新監督に森保一氏が就任したと発表した。東京五輪を目指すU-21日本代表と兼任する。A代表と五輪代表の兼任は、2000年のシドニー五輪と02年の日韓ワールドカップで指揮を執ったフィリップ・トルシエ氏以来だ。
 
 田嶋幸三会長、関塚隆技術委員長とともに壇上に上がった森保新監督は、「ふたつの代表の監督をするのは本当に困難なことだと思います。ひとりでやると考えれば不可能だと思いますが、日本代表を支えてくださる多くの方々の力をお借りしながらチームを作っていければ、不可能が可能に変わり、ふたつのチームを同時に見ていくことが大きな成果につながると思っています」と挨拶。さらに、「覚悟と感謝」という言葉を強調し、「そのふたつの気持ちを持って職責を全うしていきたいと思っております」と続けた。
 
 先日のロシア・ワールドカップのメンバーは、本田圭佑や川島永嗣など30歳を超えた選手が多く、新体制では世代交代が求められている。森保監督はこれについて、「選手選考や世代交代は、言葉ありきではなく、この世界は競争があると思います。見せられる選手、走れる選手、実力がある選手が生き残っていく世界だと思います。世代交代はやっていかなければいけないと思いますが、私自身、年代間の融合をしっかり図りつつ、新しい日本代表を築き上げていきたい」と述べた。
 
 代表の門戸は、年齢に関係なく開かれているということだろう。もちろん、4年後のカタール・ワールドカップを見据えれば若返りは不可欠だが、「ただ、ベテランの選手を招集しない、若い選手を経験させるという意味で入れ替えるのではない。やはり、経験を積んだベテランの選手たちが持っているものを、経験の浅い選手たちに伝えてもらいたい」と森保監督は言う。

 さらに、新指揮官はチーム作りを進めるうえで、東京五輪代表からA代表への人材供給だけでなく、さらに下のアンダーカテゴリーから東京五輪代表への吸い上げも見据えているようだ。

「A代表とオリンピック代表、オリンピック代表とさらに下の代表がちょっとずつ融合できるのかなと思っています」

 そう語った指揮官の狙いは、A代表に選ばれた選手が五輪代表に経験を伝え、さらにその経験がアンダーカテゴリーに伝わる好循環を生み出したい、ということだろう。

 森保監督の仕事量は膨大になるが、世代間の融合がスムーズに進めば、様々なカテゴリーに好影響を与えそうだ。
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