J1後半戦へのビジョン|神戸編|素早いパスワークの中で小川慶治朗が輝きを放つ

2014年07月02日 白井邦彦

精度を高めるうえでこだわった「パススピード」。

14節を終えて、神戸は首位の浦和を勝点差5の3位で追走する。森岡(写真)らを軸にしたパスワークの精度アップが後半戦のポイントになりそうだ。 (C) SOCCER DIGEST

 6月1日のナビスコカップ7節・仙台戦後、チームは過密日程で疲れた選手たちの心身をリフレッシュさせるため、2週間のオフに入った。ただし、「2週間で身体がブヨブヨになるのは困るので、最低限のことはやってくれ」(安達亮監督)という条件付き。各自がうまく調整し、MFの和田倫季以外は目立った怪我人もなく練習が再開された。
 
 キャンプはしなかった神戸は、まずオフ明けの1週間は2部練習でフィジカルメニューを重点的にこなし、コンディションの向上に努めた。高橋峻希は「後半戦を戦い抜ける身体を作ること」をテーマにオフ明けに臨んだという。
 
 また、後半戦の「ジョーカー」として期待される杉浦恭平は「神戸のサッカーは前半戦で分析され、対策も立てられている。その中で個人的には走り負けないことをテーマに掲げている。自分が試合に出た時はすべてを出し切って攻守に渡って貢献したい」と話した。 2週間のオフでそれぞれが自己と向き合い、課題を見つけてきたことがうかがえる。
 
 2週目からはリーグ再開後を見据えたルーティンが組まれた。それが、週末に行なう非公開の練習試合に向けて流れを作るスケジューリング。新しいことを取り入れるのではなく、あくまで開幕前から目指しているスタイルを定着させるのが狙い。「チームとして同じ絵は描けているので、その精度を高めること」(安達亮監督)が2週目以降の大きなテーマだ。
 
 精度を高める上でこだわったのが「パススピード」である。杉浦の言葉にもあったように、他チームの分析が進んだリーグ中断前の終盤には、リトリートしてブロックを組む相手に対して攻めあぐねる時間帯があった。その対抗策のひとつとして掲げたのがパススピードの向上だ。

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