「完全にクレイジー、選手の骨を拾うことになる…」W杯後の“超”過密日程にクロップが嘆き

2018年07月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

「100%理解できない…」と警鐘を鳴らす

選手に負担がかかっているサッカー界の“超”過密日程に苦言を呈したのは、リバプールの指揮官クロップだ。  (C) REUTERS/AFLO

 ワールドカップが閉幕して、間もなく1週間。多くのサッカーファンは、「W杯ロス」に襲われつつも、欧州サッカーの新シーズンが始まるのを楽しみにしていることだろう。約1か月後には、主要リーグの2018-19シーズンが開幕するのだ。

 中でも、プレミアリーグは8月10日と特に早い開幕を迎える。マンチェスター・ユナイテッドの指揮官ジョゼ・モウリーニョは先日、「W杯戦士に一定の休息を与えれば、開幕は間に合わない」と、過密なスケジューリングを嘆いた。

 問題はそれだけにとどまらない。リーグが開幕して1か月もしないうちに、再び代表戦が行なわれる。それも、以前のような国際親善試合ではない。今年は新たにネーションズリーグが始まるため、短期間のうちに、選手たちは次々と真剣勝負を強いられるのだ。

 リバプールの指揮官ユルゲン・クロップは、この現状に警鐘を鳴らしている。
 
 英紙『Guardian』によると、クロップは、「ネーションズリーグの創設でより負荷が強まった。こうした試合を止めない限り、W杯を戦った選手たちはみんな(9月に)また熾烈な代表戦に行かなければいけない」と述べ、さらに続けた。

「私は100%理解できないよ。ウチからは4選手がW杯準決勝に進んだ。それはOKだ。対処できる。でも、トッテナムは9選手だ。彼らがいかに対処するのか、私には分からない。

 本当に取り組むのが大変なんだ。将来的に見直すべきだよ。変えなければいけない。選手たちはW杯を戦い、次にネーションズリーグで、次の夏にまたネーションズリーグのファイナルだ。こんなことは、本当にクレイジーだ。今はサッカーのすべてが重要になっている。そして、我々は選手たちの骨を拾うことになる」

 W杯で3位決定戦まで戦ったイングランド代表のジョーダン・ヘンダーソンとトレント・アレクサンダー=アーノルドは、チーム合流を早めるためにバカンスを返上すると申し出た。だが、休息の重要性を強調するクロップは、それを認めなかったという。

 アレクサンダー=アーノルドについては、「とても若いから、2週間休んでから様子をみて話し合おうと言った」というクロップは、「休みが必要だとジョーダンを説得するのは、本当に大変だったよ」と述べ、ヘンダーソンやデヤン・ロブレンは開幕に間に合わないとの見方を仄めかした。

「電話で『それはクレイジーだ』と言った。ジョーダンには休みが必要だ。戻るのは8月5日。デヤンはさらに1日遅かったし、クロアチアでのパーティーもあったから、合流は6日だ。つまり、3週間の休息を経て、練習を始めて5日(で開幕)ということだ。ウェストハムとの初戦で彼らの起用を考えなくて済む状況になることを願っている。

 彼らには、凄くいてほしいが、シーズンは本当に長いし、最初のインターナショナルブレイクまで3試合ある。それからネーションズリーグだ。ウェストハム戦で彼らを含めるのは難しいだろう。現時点で決めたくはないがね」

 ビッグクラブに所属する代表選手の超が付くほどの過密日程は、常に付きまとう問題だ。クロップ監督が警鐘を鳴らしたように、今後は何らかの対応が必要かもしれない。
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