「不運と酷いゴールのせいで…」大会MVPも失意のモドリッチ、“疑惑のPK”への見解は?【ロシアW杯】

2018年07月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

サポーターとチームメイトへの感謝は忘れず

32歳という年齢を考えれば、キャリア最後のW杯となる可能性が高いモドリッチ。それだけに差をつけられての敗戦は痛恨だった。(C)Getty Images

【7月15日・ルジニキ|決勝 クロアチア 2-4 フランス】

 フランス相手に最後まで食い下がりながらも、終わってみれば2-4。クロアチアは、悲願の世界制覇に辿り着くことはできなかった。試合後、FIFA(国際サッカー連盟)の選定する大会MVPにも選ばれたルカ・モドリッチの表情も曇ったままだった。

 マリオ・マンジュキッチのクリアがゴールに吸い込まれる不運な形で先手を取られたクロアチアは、28分にイバン・ペリシッチのゴールで同点とした。それだけに10分後に許した勝ち越し点はやりきれない。

 フランスのCKをニアサイドでクリアしようとしたペリシッチの腕にボールが直撃。ネストル・ピタナ主審は、VARでPKの判定を下し、それをアントワーヌ・グリエーズマンに決められてしまった。

 後半に入る直前に審判団の下へ歩み寄り、「あれはPKじゃない。絶対にファウルじゃなかった!」と猛抗議をしていたモドリッチは、試合後、フラッシュインタビューに応じ、「運がなかった……」と肩を落とした。
「試合のほとんどの時間帯で僕らのほうが優れたチームだった。でも、残念ながら不運と酷い失点のせいで大きなビハインドを背負ってしまい、フランスを有利にさせてしまった」

 ベテランと言える32歳で辿り着いた夢舞台で、4点を奪われての敗北という現実はあまりに重い。背番号10は目頭を押さえながら言葉を振り絞った。

「僕らは勇敢に闘い、勝つために全力を尽くした。ワールドカップの優勝まであと少しだったんだ……。準優勝に終わったことを間違いなく引きずってしまうだろう。この感情が落ち着くまでは、いろんなことを考えられないと思う」

 涙を浮かべ、失意に暮れたモドリッチだが、熱烈な応援を続けてくれたサポーター、そしてともに死力を尽くした仲間への感謝は忘れなかった。

「この大会を通して僕らの支えてくれたサポーターに感謝したい。この敗戦は、彼らのことを考えても残念でならないし、受け入れがたいものがある。そして、チームメイトたちにも大きな感謝をしなくてはいけない。彼ら無しではここまで来ることは不可能だった」

 残念ながら、笑顔で大会を締めくくることはできなかったモドリッチ。だが、MVPにも選ばれたパフォーマンスと存在感は、その栄誉に十分に値するものだった。
 
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