【７月11日・ルジニキ｜決勝　クロアチア ２-４ フランス】

　フランスに20年ぶりW杯トロフィーをもたらした絶対的司令塔のポール・ポグバは声を詰まらせ、感慨に浸った。

　ポグバが、そのポテンシャルの高さを見せつけたのは、チームが１点をリードしながらも、クロアチアの怒涛の反撃を受けていた59分だ。カウンターの流れからアントワーヌ・グリエーズマンの落としをバイタルエリアで受け、最後は狙いすましたシュートをゴール左下隅へ決めた。

　優勝を大きく手繰り寄せる値千金弾を決めたポグバは、試合後、興奮気味に試合を振り返った。

「胸に２番目の星が付いたね。とても俺たち似合ってるし、ゴージャスだろ？ この瞬間、フランスが熱狂に包まれていることを願ってるよ。みんなに改めて感謝したい。率直に言って、これは本当に素晴らしいことだ。言葉がないよ……」
 

　その目に涙を浮かべた25歳のMFは、今大会はリーダーシップを幾度となく見せてきたが、この試合前にもチームに熱い言葉を送っていたようだ。自ら明かしている。

「試合前にみんなに言ったこと？ とてもシンプルな言葉さ。『俺たちの夢を叶えるまで、あと90分だぞ』って言っただけだよ。歴史に名を刻めて良かった。他のチームがトロフィーを掲げることは許したくなかった」

「子どもの頃からの夢が叶った」ポグバ。剛柔を兼備した大会屈指のセントラルMFは、その傑出したパーソナリティーで母国を栄冠に導いた。