「母国を最も威厳のある方法で世界に知らしめたい」 クロアチア指揮官が史上初の決勝にかける想い

2018年07月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

「選手はW杯決勝の意味を十分に分かっている」

PK戦勝利の際には涙を流したダリッチ監督。選手が強靭な精神力を見せて快進撃を続けられるのは、この優れたモチベーターの存在も大きいのだろう。 (C) Getty Images

 7月15日(日本時間・同日24時)、ロシア・ワールドカップはフランスとクロアチアのあいだで決勝が行なわれる。
 
 世界注視の一戦を前にして、前日、両チームの監督と中心選手が会見に臨み、世紀の対決への意気込みを語った。
 
 欧州予選最終節に母国代表チームの指揮権を託され、そこから敗退を免れただけでなく、本大会では史上初の決勝へ導き、クロアチア・サッカー史に永遠にその名を刻むこととなったズラトコ・ダリッチ監督。タレント集団を見事に操っている指揮官は、決戦を前にリラックスしながら、選手や祖国への思いを明かした。(『L’EQUIPE』より)
 
――◇――◇――
 
(疲労の不安は? との質問に対して)明日はW杯決勝だ。選手はその意味を十分に分かっている。もし100パーセントのコンディションでない選手は、私にそのことを申し出てくれるはずだ。私は選手を尊敬している。
 
 準決勝の後、我々は特別な練習はしていないし、疲労の回復に努めてきた。軽度の怪我やコンディションに問題を抱えている選手は何人かいる。できれば、全員が試合に出られる状態であるのが望ましいが、そうでなくても、我々には素晴らしい選手が十分にいる。
 
 我々の関係は、尊敬と信頼で成り立っている。私は選手たちと、友人のような関係を保ちたいと思っているが、選手は私の役割や、私に決定権があることもしっかり理解している。これは代表チームでは非常に大事なことだ。
 
 ここまで、我々のあいだには何の問題もない。選手は私に何でも聞いてくるし、尊敬してくれる。6週間を一緒に過ごし、今では本当の家族のようになった。もう少しで彼らと別れなければならないのは、とても悲しいことだ。
 
 ここまでの戦いのなかで、決勝トーナメント1回戦のデンマーク戦(1-1からPK戦)が最もタフな試合だった。あの試合の前、選手に余計なプレッシャーをかけないよう、「自分たちのサッカーをしよう!」と声をかけてピッチに送り出した。私にとって、あの時が最も美しい瞬間だった。重要な試合を勝ち上がった選手には脱帽している。
 
 我々は、クロアチアという国を、最も威厳のある方法で世界に知らしめたいと思っている。もし負けたら? その時は相手を祝福するだけだ。
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