「あれはイチかバチかの賭けだった」ベルギー代表CBが瀬戸際の“スーパークリア”を自画自賛!

2018年07月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

僚友ダイアーのチップショットに呼応して

まさに達人芸だったゴールライン手前でのスーパークリア! 名手アルデルワイレルド(2番)が大仕事をやってのけた。(C)Getty Images

 ロシア・ワールドカップの3位決定戦は、"赤い悪魔"ベルギー代表に軍配が上がった。
 
 開始4分に流れるような展開からトーマス・ムニエが先制点を挙げ、その後は堅守速攻をベースに試合を進め、終盤にケビン・デ・ブルイネ→エデン・アザールの黄金ルート開通でイングランドを突き放した。ワールドカップにおける同国史上最高位となる3位の座を掴み、充実の1か月間を終えたのだ。
 
 勝敗を分けるポイントのひとつになったのが、ベルギーの1-0リードで迎えた70分のスーパークリアである。果敢な攻撃参加を見せたイングランド代表のMFエリック・ダイアーに最終ラインを打破され、GKティボー・クルトワと1対1の局面を作られてしまう。ここでダイアーは冷静にクルトワの動きを見定めてチップショットを放ち、あとはガラ空きのゴールへ……。イングランドのサポーターが同点弾を確信した刹那、猛然と走り込んだCBトビー・アルデルワイレルドが危機を救うのだ。スライディングしながらゴールライン手前で見事に蹴り出してみせた。

 
 ダイアーはトッテナム・ホットスパーの僚友で弟分のような存在。ゴールを決め切れずに頭を抱える24歳MFの肩をポンと叩き、ビッグプレーを称えた。
 
 アルデルワイレルドは、まさに瀬戸際のチャレンジだったと振り返る。
 
「あれはイチかバチかだった。エリックがシュートを撃つか、切り返すかは分からなかったからね。言わばギャンブルだよ。読みが当たったのはいいんだけど、ゴールマウスに向かったら向かったで、次は『オウンゴールになるんじゃないか』という恐怖があった。まあ我ながら上手くやれたと思うけど、あの短い時間でいろんなことを考えていたんだ」
 
 長く代表チームを支えてきた黄金世代の一員だ。3位という結果に胸を張る。
 
「今日はとにかくデュエルで負けないよう、それだけに集中していた。チーム全員で戦い抜いて掴んだ栄誉だ。(ベルギーは)本当にメンタルがタフなチームでね。過去最高の記録を達成できて嬉しいし、国民も喜んでくれていると思う。でも明日からはまた、新たな戦いが始まる。なにかもっと美しいものを作り出すためのスタートだ。新たな夢を追いかけていくことになるね」
 
 大会を通して抜群の安定感を誇った守備者は、マンチェスター・ユナイテッドをはじめ、ユベントスやチェルシーなどからも強い関心を寄せられている。はたして3年間を過ごしたスパーズに別れを告げるのか。長い戦いを終えたばかりだが、慌ただしいオフを過ごすことになりそうだ。
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