中国資本から米国資本に移ったミラン、“レジェンド”マルディーニの入閣は? スタジアム問題の進展は!?

2018年07月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

レオナルドに白羽の矢が!?

すでに始動しているミラン。周囲は騒がしくなる一方だが、ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督の下、チームは新シーズンに向けての強化に集中している。 (C) Getty Images

 7月11日に米国ヘッジファンド「エリオット・マネジメント」による買収が発表されたイタリア・セリエAの名門クラブ、ミラン。昨年4月、経営権は「フィニンベスト」から中国資本に渡っていたが、また新たなオーナーが誕生することとなった。
 
 これは、今まで同クラブの実権を握っていた中国人のリー・ヨンホン氏が3200万ユーロ(約42億円)の負債を6日までに返済できなかったためであり、これによりミランは米国資本下に入ることが決まった。
 
 エリオット・マネジメントのCEOで億万長者のポール・シンガー氏は、「ミランの持つ可能性を最大限に引き出し、本来いるべき欧州のトップクラブの地位に復帰させるという挑戦を楽しみにしている」との声明を発表。「ピッチ上での成功のために、経済的な支援と安定、そして適切な管理が必要となる」とも語った。
 
 そのため同社は、まず5000万ユーロ(約65億円)の資金を投下することを約束している。シンガー氏はこの件を純粋なビジネスと考え、ミランというクラブの価値を5年のあいだに10億ユーロ(約1300億円)まで高めることを目標としているという。
 
 そのため、よりスポーツビジネスに精通したパートナーを引き入れることを考えており、「シルバ・インターナショナル・インベストメント」を経営し、アメリカNASL(北米リーグ)のマイアミFCを所有するイタリア人のリッカルド・シルバ氏に、ミランの5~20パーセントの株を売却する可能性があると、イタリア経済メディア『Milano Finanza』は伝えている。
 
 マイアミFCといえば、現役時代はミラン一筋で数々の栄光を手にしてきたパオロ・マルディーニがシルバ氏とともに共同経営者を務めており、この縁から今回、彼が新生ミランの経営に参画するのではないかという期待も生まれている。
 
 2009年の引退以来、常にフロント入りが期待されてきたマルディーニだが、ベルルスコーニ体制時にはアドリアーノ・ガッリアーニ副会長との確執があって古巣復帰は叶わず、中国資本となってからオファーを受けるも、お飾り的な役職に納得できず、これを断っていた。
 
 では、今回はどうか? というところだが、残念ながらエリオット・マネジメントは実務の"プロ"を求めており、マルディーニが常に求めている「決定権のある役職」を、経験のない彼に与えるつもりはなさそうであり、仮にそれ以外の何らかのオファーを出しても、マルディーニは拒絶するだろうと、『Calciomercato.com』などが伝えている。
 
 むしろ現在、"入閣"候補として名前が挙がっているのは、ミラン、フランスのパリ・サンジェルマンでフロント業務に携わってきたレオナルドだという。(『Sky Sports Italia』より)
 
 また『La Repubblica』によると、エリオット・マネジメントはホームスタジアムについても、新しい動きを見せる可能性がある。
 
 ミランといえば、1926年以来、サン・シーロをホームスタジアムとして、インテルとともに使用してきているが、現在の長期レンタルから完全所有への移行、あるいは新スタジアムの建設案など、様々な話が具体的に浮かんでは、立ち消えになり、現在に至ってきた。
 
 しかし、新たなオーナーとなったエリオット・マネジメントは、この件についてさっそく、インテルと話し合いの席を設けることになるという。
 
 最近のミランは、「FFP(ファイアンシャル・フェアプレー)」に抵触したとして、新シーズンのヨーロッパリーグ出場が禁じられたということが話題になっていたが、こちらもCAS(スポーツ仲裁裁判所)に撤回を求めて訴えるとしており、あらゆる面でこのクラブからは当分、目が離せない。
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