KO寸前のクロアチアを救った! ペリシッチの“カンフーボレー”を世界が絶賛【ロシアW杯】

2018年07月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

3試合連続の延長戦に倒れそうになりながら放った一発。

ウォーカーの背後から目一杯に足を伸ばして鮮烈な一撃を放ったペリシッチ。そのゴールに世界が魅了された。 (C) REUTERS/AFLO

【7月11日 ルジニキ|準決勝 クロアチア 2-1 イングランド】

 3試合連続延長戦というあまりにタフな状況で、クロアチアに逆転勝利をもたらし、同国史上初のワールドカップ決勝に導いたのは、1ゴール・1アシストと殊勝なパフォーマンスを披露したイバン・ペリシッチだった。

 29歳の韋駄天が魅せたのは、チームが1点のビハインドを追っていた68分だ。右サイドを駆け上がったDFシメ・ヴルサリコからの絶妙なクロスボールに、左足を高く上げたアクロバティックシュート! この豪快な一撃で、値千金の同点弾を生んだ。

 さらに延長戦に入った109分には、相手DFのクリアボールが高く上がったところを、バックヘッドで前方へと繋いでマリオ・マンジュキッチの決勝弾をアシスト。まさしく出色のパフォーマンスだった。

 試合後、FIFA(国際サッカー連盟)の選ぶマン・オブ・ザ・マッチに選出されたペリシッチは、「あと1試合、ベストを尽くすしかない。僕らは疲れていたし、取り繕うような余裕はなかった。最後は気持ちが勝ったんだ」と、ノックアウト寸前だったことを明かしている。

 そんな限界間近だった韋駄天の生み出したダイナミックな同点弾は、各国メディアから脚光を集めている。

 まず地元紙『SLOBODNA』は、「素晴らしく、アメージングなクロアチア! 激しく勇敢に戦った、英雄を越えた英雄たち」と代表戦士たちを称えたうえで、「前半は全く良くなかったが、我々を救ったのはイバン・ペリシッチの鋭い左足だった」と絶賛した。

 さらに仏紙『L'EQUIPE』は、「クロアチアを復活させたのは、ペリシッチのアクロバティックなカンフーボレーだった」と綴り、イタリア紙『Gazzetta dello Sport』は、「インテルのウインガーは、停滞ムードを取っ払うかのように光り輝いた」と、その活躍ぶりを褒めちぎっている。

 各国のメディアから賛辞を贈られたペリシッチは、「次は決勝だ。我々は(フランスとの)20年前の試合を覚えている。だが、新しい歴史を作る時が来た」と、1-2で敗れた1998年大会準決勝の雪辱に燃えている。28歳のウインガーは、3日後に迫った決勝でもヒーローとなれるか? 要注目だ。
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