「MVP? バロンドール? そんなのどうでもいい」ベルギーの大黒柱アザールが周囲の喧騒を一蹴! 【ロシアW杯】

2018年07月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

苦戦した日本戦の後の舞台裏を明かす。

今大会はキャプテンとしてもチームを支えているアザール。そんなベルギーの大黒柱の目には、世界の頂しか見えていない。 (C) Getty Images

 史上初の世界制覇へ向けて、「赤い悪魔」の10番が燃えている。

 火曜日に行なわれるロシア・ワールドカップ準決勝で、フランスとの大一番に臨むベルギーの背番号10番、エデン・アザールは、ユース時代から北仏の名門リールで研鑽を積み、また生まれが国境からほど近いラ・ルビエールだということもあり、フランスとの対戦には強い思い入れがあるようだ。

 ベルギー・メディア『RTBF』のインタビューで、アザールは、「小さい頃はフランスに憧れていた」と明かしている。

「ジズー(※ジネディーヌ・ジダンの愛称)は偉大なヒーローだったし、小さい頃は僕の周りにベルギーのファンはほとんどいなかったんだ。僕ら兄弟は、ちょうど1998年のW杯を見て育っていたからね。

 常に心はベルギー人だったけど、フランスのファンだった。これは紛れもない事実さ(笑)。 だから今回の対戦は、個人的にかなり楽しみなんだ」

 今大会は、ここまで5戦全勝と破竹の勢いで勝ち上がってきたベルギーだが、「不安もあった」と話すアザール。苦戦を強いられた日本との決勝トーナメント1回戦後の、あるエピソードを明かした。

「実は日本戦の後、監督が『今のままではブラジルに負ける』って僕らに言ったんだ。あの時は、かなりの危機感を感じていたよ。正直、負けると思ったからね。それで、僕らはみんなで意見を出し合った。

 その中で監督がシステム変更を提案してくれて、それに手応えを感じ、ブラジル戦に挑んだんだ。あの結果と内容には、僕らが一番驚いている。『監督、すげー』って感じさ」

 知将ロベルト・マルティネスの戦術眼の下、ロメル・ルカク、ケビン・デ・ブルイネらとベルギーの攻撃を牽引しているアザールは、4試合で4ゴール・2アシストと目に見える結果も残している。それだけに、今大会のMVPや今年のバロンドール受賞を期待する声もあるが、それに対して当の本人は全く関心を示していない。

「W杯MVP? 世界最高選手の名誉? 正直言って、そんなものはどうでもいい。僕が欲しいのは、あのトロフィーだけだ。クルトワやルカク、デ・ブルイネもいる今のチームなら、それができると思っているよ。MVPに選ばれることはもちろんありがたいことだけど、W杯で優勝できなかったら意味がない」

 まさに「フォア・ザ・チーム」の姿勢を強調したアザール。その献身性で、母国に初の栄冠をもたらせられるのか? "赤い悪魔"の10番のプレーに要注目だ。
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