通算成績ではベルギーがリード
タレント軍団同士の一戦はどのような展開となるのか。歴史に残る名勝負の誕生が期待される。 (C) Getty Images
攻守で安定感を見せて強敵ウルグアイを撃破したフランス。決勝まで進んだ2006年ドイツ大会以来の4強入りである。一方、ベルギーは優勝候補筆頭にも挙げられていた王国ブラジルを蹴落として、実に32年ぶりの準決勝進出を果たした。
◇今大会成績
フランス
・グループリーグ
グループC1位:2勝1分け・3得点1失点
○2-1 オーストラリア
得点者:グリエーズマン、オウンゴール
○1-0 ペルー
得点者:エムバペ
△0-0 デンマーク
・決勝トーナメント1回戦
○4-3 アルゼンチン
得点者:グリエーズマン、リュカ、エムバペ(2点)
・準々決勝
○2-0
得点者:ヴァランヌ、グリエーズマン
ベルギー
・グループリーグ
グループG1位:3勝・9得点2失点
〇3-0 パナマ
得点者:メルテンス、ルカク(2点)
○5-2 チュニジア
得点者:アザール(2点)、ルカク(2点)、バチュアイ
○1-0 イングランド
得点者:ヤヌザイ
・決勝トーナメント1回戦
○3-2 日本
得点者:ヴェルトンゲン、フェライニ、シャドリ
・準々決勝
○2-1 ブラジル
得点者:オウンゴール、デ・ブルイネ
◇今大会成績
フランス
・グループリーグ
グループC1位:2勝1分け・3得点1失点
○2-1 オーストラリア
得点者:グリエーズマン、オウンゴール
○1-0 ペルー
得点者:エムバペ
△0-0 デンマーク
・決勝トーナメント1回戦
○4-3 アルゼンチン
得点者:グリエーズマン、リュカ、エムバペ(2点)
・準々決勝
○2-0
得点者:ヴァランヌ、グリエーズマン
ベルギー
・グループリーグ
グループG1位:3勝・9得点2失点
〇3-0 パナマ
得点者:メルテンス、ルカク(2点)
○5-2 チュニジア
得点者:アザール(2点)、ルカク(2点)、バチュアイ
○1-0 イングランド
得点者:ヤヌザイ
・決勝トーナメント1回戦
○3-2 日本
得点者:ヴェルトンゲン、フェライニ、シャドリ
・準々決勝
○2-1 ブラジル
得点者:オウンゴール、デ・ブルイネ
両国のW杯での対決は過去に2度。1938年はフランスが開催国で、ベルギーとの1回戦は突破したものの、続く準々決勝では優勝するイタリアに敗れている。一方、第1回大会から出場しているベルギーは黒星続きで、W杯で初勝利を挙げるのは70年メキシコ大会になってからだった。
2度目は86年大会。3位決定戦での対峙だったが、望外の準決勝進出で満足感に満ちていたベルギーに対し、フランスは優勝の夢破れて失意のどん底にあった。前者がクーレマンス、ゲレツ、シーフォら主力が先発出場して貪欲に勝利を目指したのに対し、後者はプラティニ、ジレスら中心選手は私服でこれを観戦した。
それでも、試合は予想以上に白熱したものとなり、シーソーゲームの結果、延長戦にまで突入し、最後は若い選手が躍動したフランスが3位の座を勝ち取った。彼らは前回スペイン大会でも3位決定戦に臨み、この時はポーランドに敗れている。
なお、EUROでの対決も84年に実現しており、開催国フランスはベルギーを5-0で一蹴。プラティニのハットトリックなどで完勝した「レ・ブルー」は、そのまま欧州制覇へと突き進んでいった。
◇通算対戦成績&直近3試合と国際大会の結果
(フランスの)24勝19分け30敗
2015年 フランス 3-4 ベルギー(親善試合)
2013年 ベルギー 0-0 フランス(親善試合)
2011年 フランス 0-0 ベルギー(親善試合)
1986年 フランス 4-2 ベルギー(W杯 3決)
1984年 フランス 5-0 ベルギー(EURO GL)
1938年 フランス 3-1 ベルギー(W杯 1回戦)
※3決=3位決定戦 GL=グループリーグ
ちなみに最も直近の対決となった2015年6月7日の親善試合では、ベルギーがフェライニの連弾、さらにナインゴランが加点してリードを広げるが、フランスはヴァルビュエナが1点を返す。アザールがPK戦でリードを3点に戻すと、終了間際にホームのフランスがフェキル、パイエの連続ゴールで1点差に詰め寄ったところで時間切れとなった。
隣国同士ということで過去に多くの対戦がある両国だが、通算成績ではベルギーが上回っている。では、74度目の対決となる今回はどうだろうか。
フランスはグリエーズマン、エムバペ、ジルー、ポグバ、ベルギーはアザール、デ・ブルイネ、ルカクという大会屈指タレントらによる攻撃合戦は、近年の大会において最高レベルのものとなるかもしれない。また、これを迎え撃つ両チームの守備陣も堅固であり、その対決はスペクタクルに満ちたものとなるだろう。
ともに長い年月をかけてチームを熟成させていくなかで、試合運びの巧さも身につけてきた。優れた個、高度な組織力、戦いの柔軟性、試合巧者という共通点の多い両国が激突した時、果たしてどのような戦いが展開されるのか非常に興味深い。
絶対に見逃せない究極の一戦は7月10日(日本時間・11日午前3時開始)、サンクトペテルブルクで行なわれる。