フランスが98年以来2度目の優勝に王手!伏兵の決勝弾でベルギーを撃破【ロシアW杯】

2018年07月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

後半立ち上がりにウンティティが決勝点!

グリエーズマン(7番)のCKに合わせたウンティティ(5番)が先制点を奪った。(C)Getty Images

【7月10日・サンクトペテルグルク|準決勝 フランス1-0ベルギー】
 
 ロシア・ワールドカップ準決勝のフランス対ベルギーが現地10日、サンクトペテルブルクで行なわれ、フランスが1-0でベルギーを下した。
 
 試合の立ち上がりはお互いに相手の出方をうかがう慎重な展開。フランスはカンテを最終ラインに落としてボールを回しながら、右サイドのエムバペのスピードを活かして崩そうという意思を見せる。一方のベルギーは準々決勝のブラジル戦と同じく、守備時には4-3-3、攻撃時には3-4-3になる変則布陣を採用し、出場停止のムニエの代役として右サイドバックに入ったシャドリを高い位置に押し出して圧力をかけた。
 
 最初に決定機を迎えたのはベルギーだ。14分、準々決勝でブラジルを破って勢いに乗る"赤い悪魔(ベルギー代表の愛称)"は、中盤でカットしたボールを素早く前線に送り、最後はE・アザールが角度のないところから左足を振り抜く。しかし、シュートは枠を外れてスタンドからは溜め息が漏れた。
 
 ベルギーは18分にE・アザールが左サイドからカットインして右足でシュートを放ち、21分にはCKからヴィツェルの落としに反応したアルデルワイレルドが左足で狙う。いずれも相手の好守に阻まれたが、高い個人能力を前面に押し出してゴールに迫った。
 
 しかし、前半も30分を過ぎる頃になると、徐々に旗色はフランスに傾く。フランスは中盤での守備が機能するようになり、ベルギーのパスワークを遮断しつつ、グリエーズマンやポグバの展開力を活かして畳みかけるような攻撃を仕掛けた。
 
 30分にはセットプレーからジルーが頭で合わせ、32分には左サイドを起点に最後はグリエーズマンがミドル。33分にはエムバペが最終ラインの裏を突いてクロスを送り、中央に走り込んだジルーが合わせた。36分にもカウンターでグリエーズマンが長い距離をドリブルしてミドルを放つ。
 
 さらに、38分は前半最大のビッグチャンスがフランスに到来。右サイドでボールを持ったエムバペが相手DFを3人引き付けつつ、オーバーラップしてきたパバールにパスを通す。エリア内に侵入したパバールがフリーでシュートを放つも、GKクルトワの好セーブにあってゴールは奪えなかった。
 
 チャンスを作るも、なかなかゴールが奪えないフランス。しかし、後半開始早々の51分、ついにベルギーの牙城を崩した。右CKからグリエーズマンのクロスにウンティティが頭で合わせてゴールを射抜いたのだ。
 
 1点のビハインドを背負ったベルギーは、59分に最初の選手交代に動く。デンベレに変えてメルテンスを投入し、右サイドからの攻撃を活性化させた。64分にはそのメルテンスのクロスからフェライニがヘッドで合わせるが、シュートは惜しくも枠の右に外れてしまう。
 
 その後はベルギーがボールを保持してサイドを起点に攻撃を仕掛け、フランスが守る展開に。1点リードするフランスは執拗に送られるベルギーのアーリークロスをしのぎつつ、チャンスがあればエムバペのスピードを活かしてカウンターを狙った。
 
 試合終盤になると、フランスはジルーに代えてエヌゾンジ、さらにマトゥイディに代えてトリソを投入。守備を固めて時計の針を進める。そして、6分のアディショナルタイムが過ぎ、1-0で試合終了。フランスが3大会ぶりの決勝進出を決め、自国開催の1998年ワールドカップ以来2度目となるワールドカップ優勝に王手をかけた。

 ロシア・ワールドカップの決勝は現地15日18時(日本時間16日0時)。フランスは、明日に行なわれるイングランド対クロアチアの勝者と対戦する。

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