滑稽だった「3度のPK主張」…ネイマールが精神面の甘さを露呈してロシアW杯を去る

2018年07月07日 白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

VAR判定を含めてシミュレーションでのPK獲得は難しい。

主審に食い下がってPK主張を続けたネイマール。その振る舞いはあまりに滑稽だった。 (C) Getty Images

【ロシアW杯準々決勝】ブラジル 1-2 ベルギー/7月6日/カザン・アレーナ

 3大スターとして注目されたリオネル・メッシとクリスチアーノ・ロナウドに続き、ネイマールのロシアW杯も早々に終焉を迎えた。

 セレソンのエースは、左サイドを突破してクロスを上げた15分、裏に抜けてマイナスのパスを折り返した84分、中央でフリーになってミドルシュートを狙った94分などにビッグチャンスに絡んだものの、ゴールやアシストなど目に見える結果は残せなかった。とりわけ最後のシーンは決めていれば、まさにヒーローだったが、ティボー・クルトワのファインセーブに阻まれた。

 今大会はファウルを受けた際のオーバーリアクションが批判の対象になってきたせいか、ここまでの試合と比べれば大袈裟に痛がったり、ゴロゴロと無用に転げたりするシーンは少なかった。
 

 しかし、いずれもペナルティーエリア内で倒れた45分と52分は、PKをアピールするもノーファウルの判定。ともに目の前で見ていたレフェリーは笛を吹かなかった。さらに91分にはゴール前でクロスに飛び込んで相手のプッシングを主張も、こちらも無駄なアピールに終わった。

 今大会はVARの導入もあり、とりわけPK判定でレフェリーの目を欺くのは不可能に近い。ネイマール自身もグループリーグ第2戦のコスタリカ戦で一旦はPKを取るが、VAR判定で取り消しになっている。そんな中で見せた3度のPK主張はやや滑稽に見えたし、やはり精神的に成熟できていないことを伺わせた。

 サッカー王国が誇る至宝は、「大人」になりきれないままロシアを去った。

取材・文:白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
 
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