柴崎岳に生まれた責任感「W杯を終えて日本代表の捉え方は変わった」

2018年07月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

「プライド、誇りのようなものをピッチの上で示せるかどうかはすごい大事」

ロシア・ワールドカップでは4試合に先発出場。持ち前のパスセンスで攻撃を活性化した。(C)Getty Images

 ロシア・ワールドカップを通して、柴崎岳はひと回りもふた回りも成長したようだ。
 
 このボランチは、惜しくもベスト8進出を逃した今大会を振り返り、4試合のパフォーマンスについて言及。「ファン・サポーターの皆さんを楽しませるためにも試合内容は必要ですけど、それと同じくらい国としてのプライド、誇りのようなものをピッチの上で示せるかどうかはすごい大事。この大会は最低限、そういった戦い方ができたのかなと。胸を張って帰れるような戦い方ができたんじゃないかなとは思います」と語り、相手のプレッシャーを恐れずにボールをつなぎ、世界の強豪と互角に渡り合った日本代表の出来に胸を張った。
 
 とりわけ、柴崎が今大会を通して感じたのが、日本代表としての責任感だったという。
 
「大会前と違ったものになっているかもしれません。さらに、これからを考えさせられるようなものにもなりました。若い頃のような漠然としたものではなく、責任感やそういったものが身体にまとわりつくような感覚も今大会はあった。ワールドカップを終えたからこそですけど、自分にとっての日本代表というものの考え方や捉え方は徐々に変わってきているのかなという想いはあります」
 
 キャプテンの長谷部誠が代表引退を表明し、本田圭佑もこのロシア大会が節目というような発言をしている。中心選手が代表を去ることになり、チームは新たな形を模索していくだろう。そのなかで柴崎は、「誰が監督になるか、どういう方針を協会が打ち出していくのか、どういうチームの体制でやっていくのか、不確定なものが多いので、現段階で自分がこの立ち位置でというのは明確に話ができない」としながらも、「日本というチームに対して貢献していきたいという気持ちは変わらない」と話した。
 
 もちろん、視線の先には4年後のカタール・ワールドカップも含まれている。「具体的に今みたいなタイミングや形で考えているわけではないので、1年1年、1試合1試合やっていければいいかなとは思っています」と自分のペースを崩すつもりはないが、一方で「頼れる仲間たちと分散するところはしていきながら、いろんな形で支え合いながらやっていきたい」と日の丸の一員であることも強烈に意識している。

 新生・日本代表の初戦は、9月7日に札幌ドームで行なわれるキリンチャレンジカップ。日本代表としての誇りを表現し、世界と戦える自信と手応えを手にした柴崎は、そのリスタートの舞台を心待ちにしているはずだ。
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